若い世代がコロナ禍からの立ち直るための支援は十分に行われていますか?

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若い労働者の負担

パンデミックがすべての人々にそれぞれに影響を与えていることは疑いようのない事実です。COVID-19の経済的影響を最も受けたのは、最もリスクの高い人々であったことが明らかになっています。その中でも特に若い労働者は、ロックダウンや様々な制限による負担を強いられています。

国際労働機関(ILO)のデータによると2020年の15~24歳の世界全体の失業率は14.6%、他の年齢層のおよそ3倍に相当します。過去数十年、若年者の失業率がこのレベルまで上昇したことはありません。

若年者失業率は国や地域によって開きがあります。スペインでは2021年1月の数字が40%に達しましたが、ドイツでは6.2%に止まりました。また、ホスピタリティ産業など打撃が最も大きかった業界では女性の就業率が高く、男性よりも女性の方が深刻な影響を受けています。

性別や地域差にかかわらず、現在の若年者失業率は断じて受け入れがたい水準です。企業、政府その他影響力のある機関による介入を強化しなければ、パンデミックの直前または最中に労働市場に加わり始めた世代が経済的あるいは本人の成長の点から長期的な影響を被るおそれがあります。若年労働者が職を維持し、失ってしまった場合にはいち早く次の仕事を見つける支援をするための構造変化が必要です。

 

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どうしたらよいか?

そのためにはどうしたらよいでしょうか?スキルアップやメンタリングなどのサポートの強化も若年労働者を助ける一つの手段になり得ます。コロナ禍で仕事を失った人の多くは、デジタル化が加速するこの時代に需要が高いスキルを身につけることで採用可能性を高めることができます。同時に、労働人口に加わったばかりのこの世代にとって、キャリアの選択や人脈作り、求職活動についてアドバイスしてくれるメンターの存在は有益です。仕事上の輪が広がることによって、若い世代により多くの機会を提供できます。

ランスタッドは以前から、求職活動のサポートに加えて、若年者の育成を目的としたさまざまなイニシアティブやプログラムを実施しています。昨年は当社が事業展開する主な市場で仕事探しを支援した人のうち59万7,000人が25歳未満であり、1万5,000人以上が正規雇用されました。職の確保だけでなく、幅広いプログラムの下で幅広いリソースや機会を提供しています。

ベルギーでのCASE

ベルギーでは、経済・経営学部を卒業した学生を対象に「ランスタッド若年人材プログラム」を展開し、銀行やコンサルティング会社への就職に代わる興味の持てる仕事探しをサポートしています。ルーヴァン大学と協力し、2012年に始まったこのプログラムを通じて、昨年は1,000人の個別相談を受け、2,000人がワークショップに参加しました。開始以降、100人が大学での専攻に紐付いた仕事を見つけ、500人の新卒者がキャリアをスタートさせています。

 

イタリアでのCASE

イタリアでは、若年者を対象にした専門部署、「Youth@Work」が立ち上げられています。教育と労働市場とを橋渡しし、1つの立場から別の立場への移行をサポートします。「Allenarsi per il Futuro(将来に向けたトレーニング)」と題したプロジェクトを世界的総合メーカー、ボッシュとともに始動し、企業やトップアスリートによる幅広いレベルの教育研修セッションを学生たちに提供しています。情熱の大切さを認識してもらい、短期間のトレーニングを通じた仕事探しを支援することがこの取り組みの狙いです。

 

中国でのCASE

中国では、「ランスタッド・ワークプレイスラボラトリー」が複数の大学と長期的に提携し、企業とのパイプラインを構築しています。一校あたり平均で1,000人の新卒者がいるこのプログラムでは、取り組みの一環としてキャリア、給与、スキルに関する動向をアドバイスしています。

 

カナダでのCASE

カナダではランスタッド慈善財団を通じた若年者への経済的支援も行い、助成金受領者の技能習得や就職準備をサポートしています。この財団が行っているウォーターファースト・インターンシッププログラムを通じて、先住民の若者を対象にした15カ月間のインターンシッププログラムを実施し、この間、地元の水処理施設で仕事の経験を積みます。

 

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これらの取り組みは、若い世代がこれからの長いキャリア人生をうまく進んでいくために必要なリソースを提供するための具体策のほんの一例です。

7月15日の国連世界ユース技能デー(※1)は、技術教育・職業訓練(TVET)の重要性を再認識する絶好の機会です。こうした教育訓練を通じて、大学教育を受けていない若年労働者も同様に、起業を含めた明るいキャリア人生に向けて備えることができます。TVETは仕事に則した学習を促し、獲得した技能に評価や認定を与えることによって、仕事の世界への障壁を下げる効果が期待できます。

UNESCOによると、2020年3月から2021年5月にかけて、およそ10億人の生徒・学生が学校の完全または一部閉鎖による影響を受けました。将来の働き手が十分に準備を整え、大きく変わり続ける世界経済の課題に立ち向かえるよう適切な訓練を受けるための手助けがこれまで以上に重要です。ランスタッドは若年者の育成を目的にした幅広いイニシアティブやプログラムを通じて、模範となり、追随者が現れることを願っています。

変化の激しい今後の世界に次世代が備えるために、ランスタッドが世界で展開している取り組みをぜひ参考にしてください。当社の各種取り組みについて詳しくは、こちらからご覧ください。

 

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※1 https://www.un.org/en/observances/world-youth-skills-dayhttps://www.un.org/en/observances/world-youth-skills-day

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