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Z世代の「ジョブホッピング」が製造業に与える衝撃とは?定着率を高めるための処方箋
雇用主にとって、従業員の定着率向上は常に重要な目標です。従業員は在職期間を通じて、他では代替できない専門知識や協力関係を築き上げます。特に製造現場において、こうした知識は生産トラブルが発生した際に極めて大きな価値を発揮します。
しかし、1997年から2012年の間に生まれた「Z世代」が労働力の大半を占めるようになるにつれ、人材定着の戦いはさらに激しさを増していくでしょう。Z世代は上の世代に比べて転職への抵抗が少なく、製造業特有のいくつかの要因が、この業界における離職問題を深刻化させる可能性があります。
この記事では、Z世代の「ジョブホッピング(短期間での転職)」傾向に関する事実を確認し、それが製造業に与える影響、そして彼らを定着させるために企業が取るべき対策について探ります。
Z世代を惹きつけるヒントがここに。
Z世代のジョブホッピングに対する意識
Z世代の転職に関する統計はまだ限られていますが、人事コンサルティング会社ロバート・ハーフの2023年のデータ*1によると、18歳から26歳の調査対象者の約4分の3が、現在新しい仕事を探しているか、今後6ヶ月以内に探す予定であると回答しました。これは他のどの世代よりも高い数値です。

しかし、これは「忠誠心がない」ということではありません。Z世代にとってジョブホッピングは、キャリアを迅速にステップアップさせるための「自然な手段」なのです。将来の展望について、Z世代は現役生活の中で少なくとも3回はキャリア(職種)を変える計画だと回答しており*2、これも前世代を上回る数字です。今の職場に4年以上留まるつもりがあるのは、わずか13%に過ぎません。*3
いまだに「転職回数が多いこと」をネガティブに捉える雇用主もいますが、将来の労働力を確保したいのであれば、その考え方を改める必要があるかもしれません。
製造業におけるジョブホッピングの課題
Z世代の強みを活かしたいメーカーは、彼らの転職に対する柔軟な姿勢を受け入れる必要があるでしょう。しかし、それによって以下のような課題に直面することも予想されます。
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採用コストの増大: 1人の採用にかかるコストは上昇傾向にあります。製造業の場合、役割の複雑さや実技研修が必要なことを考慮すると、その額はさらに跳ね上がります。長く活躍してくれる人材への投資であれば価値はありますが、1〜2年で離職されてしまうと投資回収ができず、再び後任の教育に同等のコストを投じることになります。*4
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深刻化する人材不足: あらゆる分野で人材不足が続いていますが、製造業は特に深刻です。欧州ではメーカーの4分の1以上が労働力不足に悩まされており*5、この数字は2012年から急増しています。スキルのあるZ世代が離職する際、彼らが持つ知識も共に流出してしまうため、人材難の課題はさらに悪化します。
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チーム力の低下: 複雑な製造工程での問題解決には、部門を超えた連携と多様なスキルを持つチームが必要です。解決策は、長年チームとして働いてきた経験豊富なグループの方が導き出しやすいものです。離職率が高く、チームの顔ぶれが頻繁に変わる環境では、効果的な解決策に到達することが難しくなります。
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製造業から若手を遠ざける要因
製造業全体の離職率は、他業界と比べて極端に高いわけではありません。しかし、Z世代に限ってみると、彼らを短期間で離職へと向かわせる特有の要因が見えてきます。
しかし、Z世代だけに注目すると、短期間で新しい仕事に転職しやすくなる独自の後押し要因がいくつか見られます。
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「リモート不可」の壁: Z世代の多くは、リモートワークが当たり前となったパンデミック下で社会に出ました。そのため、対面での現場作業が必須となる製造業の環境は、彼らにとって離職を検討する大きな要因になり得ます。

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業界のイメージ: 多くの若者は、製造業は「キャリアアップの機会が少なく*6、環境への配慮(サステナビリティ)が欠けている*7」という先入観を持っています。成長と持続可能性を重視するZ世代が、他業界へ流れてしまうのは当然の結果と言えるかもしれません。
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B2B製品の馴染みの薄さ: デロイトの調査*8では、Z世代は自分の生活で目にする製品を扱う企業を好む傾向があります。ニッチなB2B製品に特化した企業の場合、若者の関心を惹き続けるには、戦略的なコミュニケーションと採用ブランディングが不可欠です。
Z世代の仕事観を理解する
Z世代の採用と定着を成功させるには、組織の変革が必要です。彼らも「適切な給与」や「楽しい仕事」を求めている点では他の世代と同じですが、彼ら独自の価値観が存在します。Z世代が仕事に何を求めているのか、その基本をまとめたインフォグラフィックをぜひダウンロードしてください。貴社の採用プロセスを「Z世代フレンドリー」に変えるための資料として、自由にご活用いただけます。
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[出典・参考資料]
本記事は以下の情報を参考に作成しました。
[1] New York Times:若手労働者とZ世代のジョブホッピングの実態
[2] Business Insider:Z世代がキャリアチェンジや転職を好む理由(2023年調査)
[3] ResumeLab:Z世代と仕事に関するキャリアアドバイス
[4] SHRM:採用コストの真実とその算出方法
[5] ToTalent:欧州製造業の苦境。4社に1社がオペレーションに支障
[6] Fast Company:Z世代が製造業の仕事を避ける要因についての調査
[7] Deloitte UK:製造業におけるサステナビリティの展望
[8] Deloitte US:職場におけるZ世代の価値観を理解するために