【創業期のエンプロイヤーブランディング】 ビジネスの成長と評価が社員を生き生きさせる

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JAPAN CLOUDのパートナーの一員であるCoupa。日本に進出して急成長を遂げている組織の、強さの理由はどこにあるのでしょう。創業期の組織とカルチャーを形づくるエンプロイヤーブランディングについてお話を伺いました。

 
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小関 貴志氏
Coupa株式会社(https://coupa.co.jp/
代表取締役社長
 
NEC、デルを経て、セールスフォースにてインサイドセールス部門の立ち上げ、セールス部門のマネジメント、セールスイネーブルメントの立ち上げを経験し、2014年からはマルケトの立ち上げに参画。2020年1月よりJAPAN CLOUDに参画し、2021年4月より現職。2019年認定プロフェッショナル・エグゼクティブ・コーチ資格取得​​。
 

世界2,000社以上、3兆ドル以上の企業の支出管理を支えるBusiness Spend Management(BSM)のリーダー「Coupa」。日本に進出して間もないにもかかわらず急成長を遂げている、Coupa株式会社の強さの理由はどこにあるのでしょう。創業期の組織とカルチャーを形づくるエンプロイヤーブランディングについて、お話を伺いました。



Coupaの文化を作る逆ピラミッドの組織

――Coupaのサービスについて教えてください

CoupaのサービスはBSM、「ビジネス・スペンド・マネジメント」というジャンルで、事業における支出を管理する購買・調達のソリューションです。例えば今、世の中で起こっている課題感で言うと、自動車会社は自動車を作りたいが半導体がなくて作れない。では、一連の購買プロセスから、どうサプライチェーンをデザインするのか。児童虐待などの問題や社会的なリスクのある取引先と仕事をしていないか。そういったところを管理し、1円1円の支出の価値を最大化するためのツールです。

Coupaには「Value as a service(バリューアズアサービス)」という言葉があります。ITのツールを売るのではなくて、お客様にCoupaを通じて実際の価値をどう得ていただくのか。支出を節約するという点も当然ありますし、どこにお金を投じれば一番リターンが大きくなるのか、何を買えば良いのか何を買ってはいけないのか。そういったお客様の“バリュー”を最大化することが、会社の一番のゴールになっています。

 

――Coupaはどんな組織でしょう

Coupaでは、我々マネージャーのことをサポーティングマネージャーと呼びます。社内の組織図も、一番下にいるのがCEOという逆ピラミッド。営業やマーケティング、カスタマーサービスやテクニカルサポート、ファイナンス含め、すべてのファンクションを私の方で支援している形になっています。マネージャーはサポートするために存在しているという思想が根底にあるので、管理するとかコントロールするという発想はあまりありません。

また、JAPANCLOUDのパートナー会社は「日本のお客様に最適なものをお届けする」という発想で会社を組織しています。外資系企業によくある、マーケティングの上司はシンガポールにいて営業の上司は日本で……というように、レポートラインが複雑にいろいろなところに伸びているのとは違い、すべてのチームを私がサポートしています。
もちろんKPIやグローバルでの方針もありますが、最終的な意思決定は「日本のお客様に対してどういうサービスが提供できるのか」「日本のお客様にとって何がベストなのか」を日本で判断することができる。ジョイントベンチャーでそういった組織形態を取っているのは日本だけなので、そこはCoupaの中でもちょっとユニークなところかと思います。

 

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スタートアップの文化を作るコアバリュー

――Coupaにはどんなカルチャーがありますか

すごく良いカルチャーだと思っています。もちろん、支出をコントロールするというのが我々のソリューションなので、お金をどう使うかというところは正しく細かく見ていますが、それ以外のところはグローバルで何かコントロールしたり、「あれはどうなっている?」「これはどうなっている?」と管理するようなことはありません。
それよりも、「何か困っていることはあるか」「何かサポートできることはあるか」と。何か課題があれば、「こちらでやっておくよ」とか「あの人と喋ってみたらどうか」とか言ってくれる。これが組織全体に普及していて、管理するのではなく「全体でサポートする」というのが根底にある考え方ですね。

 

――サポーティブな組織はどのように作られているのでしょう

Coupaには3つのコアバリューがあります。Customer success(カスタマーサクセス)、Focus on results(フォーカスオンリサルト)、Strive for Excellence(ストライブフォーエクセレンス)。
いろいろサポートするし、声を上げろよと。でも、やっぱり会社である以上は結果が非常に重要で、そのために何でもサポートするんだという考え方。Excellenceはビジネスのオペレーションかもしれませんし、カスタマーエクスペリエンスかもしれませんけれど、Excellenceを常に求めていくんだということですね。

1つ目のCustomer successは、先程の“バリュー”に戻ってくるんですね。何をもってお客様の成功とみなすのか。お客様が目に見える価値をCoupaを通じて手に入れたのか。そういったValue as a serviceを可視化する。計測可能なバリューというのが、我々のカルチャーの根本的にあるところかと思います。

 

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創業期の働き方とエンプロイヤーブランディング

――ワークライフバランスの考え方や環境は?

そもそもグローバルカンパニーの日本法人なので、他のグローバルのリージョンと同じように色々な制度がすでにあります。例えば年末年始は10日間連続でオフィスをクローズするとか、そういったもの。Coupaが非常にフレキシブルなのは、オフィスに出社してはいけないとか、必ず来なければいけないというものはない。3つのコアバリューを実践してさえいれば自由です。

 

――社員はどんな働き方をしていますか

今の20人規模から3千数百人以上の規模にしようとしています。そういうポテンシャルの会社なので、忙しいのは忙しい。それだけの気概のある人たちが「忙しさを忘れて働いている状態」というのが正しい表現だと思います。

ただ一方で、それと労働時間の長さは全く別の話。土日は休めていますし、深夜残業しなきゃいけないという働き方でもありません。それは、社内の政治や無駄な管理などを人手でカバーするということがないから。忙しいことは否定しませんが、それをエンジョイできるだけのやりがいがあり、それをみんなで成し遂げていくという段階です。

 

――エンプロイヤーブランディングの取り組みを教えてください。

具体的な試みとしては、先日オフサイトミーティングでレゴ®シリアスプレイ®をやりました。事前に私から社員のメンバーにメッセージを送って、こういうカルチャーで、今年・来年はこう、中長期的にはこんな会社にしていきたいと思ってるんだと、自分のパーパスとかビジョンみたいのを共有したんですね。
そこに対して個々人がレゴ®のブロックを使って、自分はこういうことを考えている、こういうことをやりたいんだと、自己開示するということをやりました。

まだ人数が少ないので、エンプロイヤーブランディングの取り組みはこれから。担当者もいないですし、今はタスクフォースのような形でそれを推進しはじめています。いろんなチーム、メンバーがそこに加わって、動かしていく方がふさわしいのかなとも思っています。

今大切なのは、きっちりとビジネスで勝つことです。日本のチームが素晴らしい成績を上げてベストリージョンに選ばれたり、成長率もものすごく高い。社員全員が結果を出し続けて、評価され続ければ、社員は自ずと生き生きしてきますし、情報発信力も上がっていくし、会社の事がどんどん好きになっていく。
ワークライフバランスは大前提にありますが、結果を出し続けられれば何も怖くない。みんなハッピーになっていくと思います。

 

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ゴールはお客様の価値を最大化すること

――Coupaの未来像を教えてください

支出をしない会社はありませんので、業種・業態・お客様の規模というのは、我々にとってはあまり関係ありません。大手のお客様もそうですし、中堅規模のお客様でも、このCoupaは導入され、価値を享受いただいています。

グローバルではCoupaは知られている会社ですが、立ち上がって間もない日本では、まだまだこれから。マーケットのポテンシャルは10兆円以上あるとされており、どんどん広がってきているタイミングです。お金を使う「支出」を通じて価値を最大化するというのが我々の目指す世界です。

(肩書きは取材時のものです)

2021年エンプロイヤーブランドリサーチ国内レポートダウンロードはこちら

 

 

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