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「機会があれば転職したい」も21.0% 厚労省の転職者実態調査
厚生労働省が発表した2020年転職者実態調査によると、企業に在籍する一般労働者に占める転職者の比率は7.2%(前回の15年比0.7ポイント減)で、転職者のうち無期雇用は78.6%(同1.3ポイント増)、1年以上の有期雇用が21.4%(同1.3ポイント減)と無期雇用の比率が少し増えました。調査は20年10月1日時点の状況について、11月~21年1月に実施。5年に1度の大規模調査で、常用労働者5人以上の9149事業所と5530人の個人から有効回答を得ています。
転職者比率の高い業種は「その他サービス業」の11.1%が最高。続いて、「宿泊・飲食サービス業」が10.0%、「不動産、物品賃貸業」が9.9%と並んでいます。企業規模が小さくなるほど転職者比率が高くなり、「1000人以上」では4.3%でしたが、「5~29人」では8.3%でした。
個人調査では、転職直前の勤務先の勤務期間は「2年以上~5年未満」が26.9%(同0.3ポイント減)で最も高く、「10年以上」が19.7%(同1.7ポイント増)、「5年以上~10年未満」が17.7%(同1.0ポイント減)の順です。また、「10年未満」ではすべて女性の比率が男性を上回っているのが特徴です。
●賃金「減った」が新型コロナの影響で増
転職前後の賃金の増減については「増えた」が39.0%(同1.2ポイント減)、「減った」が40.1%(同4.0ポイント増)、「変わらない」が20.2%(同2.0ポイント減)となり、新型コロナウイルスの感染拡大の影響が賃金に表れているようです。
転職理由は「自己都合」が76.6%(同1.1ポイント増)を占めましたが、その理由については「賃金以外の労働条件がよくなかったから」が28.2%で最も多く、「満足できる仕事内容でなかったから」が26.0%、「賃金が低かったから」が23.8%でした(複数回答)。
今後の転職希望では「今の職場で働きたい」が52.7%の過半数でしたが、「わからない」が24.9%、「機会があれば転職したい」も21.0%あり、年齢が上がるほど転職志向が強まる傾向にあります。
●上半期の中途採用、7割が「未充足」
民間の募集情報提供会社がまとめた「2021年度上半期中途採用動向調査」によると、上半期の採用充足企業はわずか17.7%に過ぎず、70.5%が未充足でした。DX人材を求めるインターネット業界などで未充足が目立つ結果となっています。
上半期の採用計画に対する採用結果について、「100%以上」の企業は17.7%で、「50~100%未満」が24.4%、「50%未満」が46.1%に上り、未充足は70.5%に上りました。
業界別にみると、「充足」企業の割合が最も高かったのが「化学業界」の24.0%。これに対して、「インターネット業界」は10.4%、「IT通信業界」は13.1%と低く、どちらも充足率は「50%未満」が5割前後に達しています。
転職市場は昨年4月の第1回目の緊急事態宣言時を底に、それ以降は改善傾向が続いており、業界を問わず企業のDX推進が活発になっていることから、この分野の人材を十分に確保できない状況にあり、下半期も同じ傾向が続くと予想しています。
取材・文責
(株)アドバンスニュース