企業のご担当者様からいただくお問い合わせのうち、多いもののひとつが「派遣料金」や「スタッフの時給」に関するものです。特に例年1月から3月のこの時期は当社HPの派遣料金関連ページへのアクセス数も多くなっています。そこでこのブログでは派遣料金に関するご質問とその回答をまとめました。
なお、このページでご紹介する回答は一般的な内容です。個別のご発注、派遣契約については当社担当コンサルタントまたはお問い合わせフォームを通じてご確認いただけますようお願いいたします。
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▼ご利用料金
事務・オフィス系人材派遣(一般事務、経理事務、営業事務、コールセンターなど)
工場・製造系人材派遣(組立、検査、マシーンオペレーター、食品加工など)
倉庫・物流系人材派遣(入出荷、検品、棚入れ、ピッキング、梱包、在庫管理など)
ドライバー派遣(流通、送迎など)
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派遣スタッフの給与のほかに社会保険料の事業主負担分、派遣社員の有給休暇の費用、募集広告費用などの諸経費をあわせた金額が派遣料金になります。
原則、実働時間×派遣料金(1時間あたりの単価)にてご請求いたしますので他に発生する費用はありません。
▼派遣料金の構造
派遣社員に支払う給与は、労使協定または派遣先の同種の業務に従事する労働者との均等・均衡を考慮して決定されます。その給与額に、労働社会保険料の事業主負担分(2021年5月末現在で労災保険 0.3%、雇用保険0.6%、健康保険約4.9%、介護保険 約0.9%(40歳以上の割合約67%)、厚生年金保険 約9.2%、計約15.9%)、派遣社員の有給休暇の費用、募集広告費用などの諸経費をあわせた金額が派遣料金になります。
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2020年4月の同一労働同一賃金のための改正労働者派遣法により、原則派遣スタッフにも通勤交通費が支払われるようになりました。ただし、派遣会社の通常の労働者(いわゆる正社員)に通勤手当制度がない、就業先まで送迎手段を確保している、など一定条件のもとで支給しない例もあります。
▼通勤交通費を派遣料金に含む場合と別途請求する場合のメリットとデメリット
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メリット
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デメリット
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派遣料金に含む |
・派遣スタッフが変わっても料金が一定
・支払処理が簡便
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・交通費の非課税項目に該当しない
・時間外勤務が多い場合は派遣料金全体でコスト増
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別途請求する |
・実態に即しているのでコストとして明快
・就業先から近隣に住むスタッフであればコスト減
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・派遣スタッフが変わると料金が変わる
・就業先から遠方に住むスタッフであればコスト増
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なお、ランスタッドではいずれの場合も派遣スタッフには通勤交通費を実費で支払いをしています。※勤務ルートが合理的ルートであることなど会社規定あり
関連ページ:派遣スタッフの働き方改革 同一労働同一賃金のための改正労働者派遣法
▼派遣料金を決める要素(一例)
従事する業務 × 就業環境 × 必要なスキル/経験 ×採用の難易度 + α(その他の条件)
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同じ職種でも、従事する業務を細かくみるとその内容は、企業や職場によって様々です。ランスタッドでは実際の業務の「難易度」「専門性」「責任の範囲」を判断し、業務実態ごとに派遣スタッフの適正な給与体系を設定しています。※労使協定に定める範囲に限る
業務以外にも就業環境(地域の最低賃金や求人倍率、通勤の利便性などによる立地条件、作業環境など)や勤務体系(平日勤務、シフト制、交代制など)、必要なスキル/経験の希少性も派遣スタッフの時給設定と密接に関わることから派遣料金にも影響します。
なお、「派遣先が講ずべき措置に関する指針」では、派遣元が、同一同労同一賃金における労使協定などを遵守し、スタッフへ適正な賃金を支払えるよう、派遣先は、派遣料金を決定するに当たっての配慮義務が課されています。また、当該配慮は、労働者派遣契約の締結又は更新の時だけではなく、当該締結又は更新がなされた後にも求められるものであることとされています。
▼派遣会社が設定する派遣スタッフの時給および費用の例
・スタッフへ支払う給与額
・スタッフ募集に関する費用(募集広告費など)
・スタッフ継続に関する費用(日常的なフォローアップ、キャリアアップ施策、福利厚生など)
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派遣会社がどこにどのように費用をかけているかはその会社のサービスの特色やいわば戦略とも呼べるものです。たとえばランスタッドでは派遣スタッフの離職や欠勤の抑制施策の一つとして、「ランスタッドケア」という独自の取り組みを実施しています。
また、派遣スタッフ向けの福利厚生としてクラブオフ(リロクラブ社)を提供。宿泊・レジャー・学び・生活関連サービスなどの優待を受けられるようにしています。ランスタッドがグローバルで実施しているエンプロイヤーブランド・リサーチ(※)でも理想的な雇用主の特徴として「給与水準の高さ、福利厚生の充実度」は例年上位に挙げられており、重視すべき事項と考えています。
※ランスタッドのエンプロイヤーブランドへの取り組み エンプロイヤーブランディングは、労働者が減少していく日本において、これまでになく重要になっています。ランスタッドは30カ国で20年以上にわたりエンプロイヤーブランドリサーチを行ってきました。エンプロイヤーブランドを高めることは、優れた企業イメージを構成すると同時に、職場環境の改善を重ねることで、「働く人、家族、求職者にとって真に魅力ある企業」を目指すことになります。ランスタッドは、エンプロイヤーブランディングに関する様々な情報提供とクライアントの人々と文化を目に見えるようにするためのサポートも推進しています。
関連記事:〔調査〕派遣社員の現在の時給の自己評価とギャップ額、転職への影響とは?
適正な派遣料金を設定することは、派遣元が優秀な人材を確保し、安定した労働力を維持するための基盤を築く上で不可欠です。また、派遣スタッフに適切な給与と福利厚生を提供し、彼らのモチベーションやエンゲージメントを高めることで、派遣先に対して品質の高い安定したサービス提供が可能となると考えています。
派遣料金についてお客様にわかりやすく、ご納得いただける説明に努めております。ご不明な点がございましたら、ランスタッド営業担当もしくは法人様向けお問合せ窓口までお問い合わせください。
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[著者プロフィール]
現在はインサイドセールスとしてランスタッドの全サービスをワンストップでご提案することを担当。国家資格キャリアコンサルタント。