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半数が「税制優遇に関わらず賃上げ」 「優遇内容次第」も3割、帝国データ

作成者: randstad|Nov 23, 2021 3:00:00 PM

半数が「税制優遇に関わらず賃上げ」「優遇内容次第」も3割、帝国データ「優遇措置に関わらず賃上げできない」が8.1%

 帝国データバンクが11月16日発表した企業の賃上げ調査によると、政府が賃上げ企業の税制優遇強化を検討していることについて、「優遇措置に関わらず賃上げする」と回答した企業は48.6%に上りました。
「現状では賃上げできないが、優遇措置が大きくなれば検討」が22.3%、「現状ではできないが、優遇措置が大きくなれば賃上げする」が8.5%。「優遇措置に関わらず賃上げできない」が8.1%ありました。「優遇措置に関わらず賃上げする」と答えた企業のうち、大企業が53.6%だったのに比べ、中小企業は47.9%、小規模企業は37.6%にとどまっています。

岸田新政権は22年度税制改正で、控除率の引き上げなど賃上げ企業に対する税制優遇措置をさらに拡大することを検討していますが、コロナ禍が収まってきていることで企業の賃上げ意欲が強まっている半面、ここに来て原材料価格の高騰などのマイナス要因もあることから、仮に賃上げしても小幅な賃上げ率にとどまる可能性もあります。このため、来年の春闘などで労使の攻防が強まりそうです。
 調査は11月12~15日に実施し、有効回答1651社分を集計しました。企業規模は中小企業基本法に基づき、製造業の場合は従業員300人超などを大企業、300人以下などを中小企業、20人以下を小規模企業に分類しています。

●契約内容の明示が「必ずある」は3割

 連合が11月18日発表した「フリーランスとして働く人の意識・実態調査2021」によると、主要な取引先企業との報酬額の決定には56.5%が「双方で協議して決める」でしたが、「取引先が決める」も34.2%ありました。また、書面やメールなどによる契約内容の明示について、「必ずある」は29.9%に過ぎず、「ない時もある」が45.5%、「ない」が24.6%ありました。
 この1年間でトラブルを経験したかどうか聞いたところ、「経験した」が39.7%に上り、職種で最も多かったのは「コミュニケーション関連」の47.6%と「クリエイティブ関連」の47.4%。
トラブルの内容(複数回答)は「報酬支払の遅れ」が29.5%で、「一方的な仕事内容の変更」が29.5%、「不当な低報酬」が26.4%、「継続案件の一方的な打ち切り」が25.7%など。
 対処方法(同)は「発注者と直接交渉」が40.1%で最も多かったものの、「何もできなかった」も31.2%ありました。
 連合では「契約が曖昧なまま業務を進めているケースが大半を占めており、トラブルが発生しやすい状況になっている点が懸念される。フリーランス保護の法整備が急務」とコメントしています。

●大卒事務系で0.4%増の22万円弱

 経団連が11月17日発表した今春の新入社員初任給調査によると、大卒の場合は事務系が平均21万9402円(前年比0.40%増)、技術系が22万438円(同0.51%増)でした。事務系の伸び率は14年から20年まで0.5~0.9%の伸びが続きましたが、今年はコロナ禍による景気低迷で前年を下回りました。
 大卒以外では、大学院の事務系が23万7190円(同0.34%増)、技術系が23万8219円(同0.45%増)。高卒の事務系が17万3354円(同0.43%増)、技術系が17万5191円(同0.64%増)でした。
 初任給を引き上げた企業の割合は29.9%で、18年の59.0%をピークに3年連続で減少、減少幅も20年の42.6%から大きく下がっており、賃金に対する企業側の厳しい姿勢が垣間見えます。
 調査は東京経営者協会と共同で6~8月に実施、会員企業2059社のうち473社から有効回答を得ました(回答率22.9%)。

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