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2026年・準備と対応が必要な労働法制(下)衆院解散・労働時間規制緩和の行方と、国会提出が見込まれる労基法・障害者雇用促進法など

作成者: アドバンスニュース|Jan 19, 2026 9:09:50 AM

高市早苗首相は1月19日、衆議院の解散を宣言しました。昨年10月に発足した第一次高市内閣は、労働時間の規制緩和検討を厚生労働大臣に指示し、働き方改革を推進するとともに多様な働き方を踏まえたルールづくりに着手しました。今年は、この動きを含む労働基準法の改正議論が白熱する見通しで、各党の労働法制に関する公約が注目されています。2026年の労働法制の要所をお伝えしてきた特集の締めくくりは、企業に与える影響が大きいとされる労働法制のポイントと着眼点をわかりやすく整理します。

 

通常国会提出は見送りも改正が濃厚な労基法

今年は、40年ぶりの大改正となる労働基準法が最大の焦点でしたが、労働時間の規制緩和も改正に盛り込む方向となったため、厚生労働省は通常国会への提出を見送りました。労基法改正は、有識者研究会や労働政策審議会などで約3年にわたり議論されてきており、改正内容は下記の方向で概ね固まっています。

  1.  連続勤務の上限規制(14日以上の連勤禁止)
  2.  勤務間インターバル(11時間の休息義務化)
  3.  法定休日の事前特定(休日の明確化)
  4.  有給休暇の賃金算定(通常賃金方式に一本化)
  5.  繋がらない権利のガイドライン策定
  6.  週44時間特例の廃止(すべて40時間へ)
  7.  副業・兼業の時間外労働に対する割増賃金撤廃

これに加えて、労働時間の規制緩和がどのような形で盛り込まれるかがポイントです。

 

 

「雇用の質」を軸にした障害者雇用の改正

1月5日号の特集(上)では、障害者雇用の法定雇用率が7月から2.7%に引き上げられることをお伝えしましたが、今年は「雇用の質」を軸にした大幅な改正議論が予定されています。改正の方向性は、

  1.  手帳を所持していない難病患者について、基準を設けて法定雇用率の算定対象とする。一方、手帳を所持していない精神・発達障害者は判定が困難なため、算定には含めない。
  2.  就労継続支援A型事業所は算定に含めない。
  3. 精神障害者の「重度」区分は設けない。
  4.  障害者雇用納付金の適用範囲を常用労働者数が100人以下の企業に拡大(段階的に対応)。
  5. 法定雇用率の達成だけを目的とした利用が指摘されている「障害者雇用ビジネス」(代行ビジネス)はガイドラインを新設する。

これらの内容を今年、労働政策審議会で詰めの議論を展開し、今秋の臨時国会か来年の通常国会に障害者雇用促進法の改正案を提出する公算です

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同一労働同一賃金ガイドラインも改正

働き方改革の一角として法制化された同一労働同一賃金について、施行から5年を経過したことを踏まえ、今年は見直しが行われます。3月をメドにガイドラインのほか、労働者派遣法の派遣先指針と派遣元指針の改正内容も明らかになります。基本線はこれまでと変わりませんが、派遣社員の待遇改善に向けた措置が格上げされる見通しです。

今年は労働法制の転換点と言われている年ですので、企業に役立つ最新動向とポイントを迅速にお届けして参ります。