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離職や業務ひっ迫を防ぐ「メンタル不調の0次予防」とは?社員の折れない心を育てる「レジリエンス」の鍛え方

作成者: randstad|Aug 4, 2026, 2:07:20 AM

「社員の人生の充実」はやがて「会社の成長」につながっていく

 

働く人の「8割」がストレスを吐露。「報酬」よりQOLを求める求職者の本音

厚生労働省が発表した「令和6年 労働安全衛生調査(実態調査)」の結果によると、働く人の実に約8割が仕事においてストレスを感じているといいます。主な原因は「仕事の失敗や責任の発生など」、次いで「仕事の量」、「対人関係」といった、日々の業務に直結する負荷です。

ここで見逃せないのが、こうした日常的なストレスと「離職」の強い相関関係です。

ランスタッドが毎年実施している、働き手が企業に求めることを探る「エンプロイヤーブランド・リサーチ 2026(日本版レポート)」の最新調査でも、「会社を辞める最大の理由」で「ワークライフバランス」が、例年1位だった「報酬」を上回る結果となりました。つまり、社員が会社にとどまるか否かを考えるとき、これまで以上に「人生を充実させられる職場環境かどうか」を厳しく吟味するようになっているのです。

 

 

もはや「なにかあってから」では遅い、社員へのサポート体制

この状況に適応し「社員が辞めない会社」になるには、まず考え方から変えていく必要があります。これまでのように「社員が不調になってから、それに応じて休ませるなどの対処をする」のではなく、「まず不調になるのを防ぐ、そのために社員の人生そのものが充実するよう会社でもバックアップしていく」考え方が求められているからです。

この考え方は「ワークライフインテグレーション(WLI)」と呼ばれます。WLIが推進されれば、社員の定着はもちろん、会社へのエンゲージメントを高め、業務の生産性を伸ばして利益をもたらすことにもつながるはずです。

 

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社員の「折れない心」をどう育てるか。不調を防ぐ0次予防の取り組みとウェビナー

 

「制度」と「カルチャー」の両輪で、社員の心身を支える自社アプローチ

ランスタッドでは、ワークライフインテグレーション(WLI)の考え方に基づき「社員の健康とウェルビーイング」をEVP(従業員価値提案)の重要な柱の1つに据えています。

具体的な施策として、2026年4月1日より社員に寄り添うサポート体制がまとめられた「Health and Wellbeing Guide(健康とウェルビーイングに関するガイドライン)」を正式に導入し、社内規定に追加しました。

 

 

また社員が自発的に立ち上げたプロジェクト「eat well, work well. ~いただきます!から始める最高の仕事~」も活動中。

「旬の食材を美味しく味わうことで、心と体を内側から整え、最高のパフォーマンスを発揮しよう」という考え方に基づき、旬の食材を使ったレシピの紹介や、コミュニティでの情報交換などを行っています。

 

 

セルフケアでストレスとうまく付き合う「レジリエンス力」をつける

さらにランスタッドでは毎年、梅雨などで心身の不調を感じやすい6月を「ウェルビーイング月間」とし、社員にセルフケアのきっかけを提供しています。2026年は、全社員向けウェビナー「『折れない心』の育て方-レジリエンス力を高めるヒント」を開催しました。

6月に限らず、猛暑や“夏休みの壁”などで心身への負荷が高まりやすい盛夏もまた、不調を感じやすいシーズンの1つ。そこでここからは、先日のウェビナーで提供されたセルフケアのヒントをご共有します。

 

 

レジリエンストレーニングにおいて重要な「3つのヒント」

心身の不調を防ぐには、まず「適切な防ぎ方」を知っておく必要があります。社内でこうした考え方を周知したり、アドバイスを行っていくことで、社員が「不調の手前で気付き、対処する」きっかけを作っていきましょう。

 

「折れない」は頑強さではなく、しなやかな心のあり方に

レジリエンスとは、逆境や困難を、成長の原動力に変える力のことをいいます。「心の回復力」とも呼ばれている、しなやかな心の強さを示す概念です。

レジリエンスは、主に次の3つの要素で構成されています。

  • 環境に負けない「適応力」
  • 倒れても起き上がる「回復力」
  • しなっても折れない「緩衝力」

いずれも頑強さで勝とうとしたり、逃げ回ったりするのではなく、しなやかに受け止めるための力です。つまりレジリエンスを身に付けることは、ストレスや変化とうまく付き合いながら、自分らしく働き続けるためのヒントになるでしょう。

レジリエンスはセンスや才能によるものと見られがちですが、誰でもトレーニングで鍛えることができるスキルです。人事としては「メンタル不調者を未然に防ぐポータブルスキル」として社内に周知・トレーニング機会を提供していく視点が重要になります。

 

ヒント1 悪循環から脱出する

最初のステップでは、ネガティブな思考のループを断ち切り、現在の自分の状態を正しく把握していきます。まず、仕事との関わり方を4象限のマトリックス図で見てみましょう。

 

目指すべきはもちろん、右上にある「高パフォーマンス×高ポジティブ」の状態です。ここへ至るには、ストレスやネガティブな感情に気が付いたときに、意識的に気持ちを切り替える習慣をつくることが大切になってきます。

人事から全社・現場へは、以下のような手軽にできるセルフケアを「気軽に取り組めるリフレッシュ法」として社内に周知・推奨していくのが効果的です。

「ストレス」をためないケア

ウォーキングなどの軽い運動や、マインドフルネス(呼吸法)、音楽、感情を書き出すといった方法から、自分に合うものを見つけてみましょう。

「疲労」をためないケア

最近は「疲労回復」を謳うさまざまなアイテムやサービスが見られますが、まずは十分な睡眠やこまめな水分補給など、基本的な生活習慣からアプローチしてみましょう。

「ストレス」は敵視されがちですが、実は「心身からの大切なサイン」として役立つものでもあります。「今のモヤモヤした気持ちをどうやって乗り越える力に変えようか」を会社と社員個人が共に考えることで、ストレスを「ピンチを教えてくれる」味方につけることができます。

 

<ポイント>深刻化を防ぐ「疲労の3段階」

疲労は目に見えませんが、大きく次の3段階に分けて気が付かないうちに進行していきます。

【第1段階(軽度)】一晩眠れば治る
【第2段階(中度)】週末休んでも月曜に疲れが残る
【第3段階(重度)】しっかり休んでも回復せず、日常・業務に支障が出る

日ごろから社員の様子をさりげなく探っておき、「第2段階」を目安に本人にセルフケアを促したり、会社側から業務調整などの介入を行うとよいでしょう。この段階で対処しておくことが、休職や離職、突発的なパフォーマンス低下を未然に防ぐことにつながります。

 

ヒント2 思い込みを手放す

「思い込み」は長年蓄積された考え方や認識の癖のようなもの。レジリエンストレーニングでは「厄介だけど愛着を持って付き合っていく相手」と捉え、親しみを込めて下記の7種類の“犬”に例えられています。

7種類の思い込み犬

批判犬
・他人を非難、批判して責任転嫁しがち。
・怒りや不満といった感情の原因に。
正義犬
・人生で何が公平で正しいかを気にする。
・公正ではないことが起きたときに、怒りや憤慨、嫉妬などの攻撃系の感情を生み出す。
負け犬
・自分と他人を比較して、自分の足りないところを気にしがち。
・悲しみや憂鬱感、羞恥心などのネガティブ感情を生み出す。
謝り犬
・何か悪いことが起こると、自分のせいだと責めてしまいがち。
・罪悪感、羞恥心など、自尊心を下げるネガティブな感情を生み出す。
諦め犬
・何をしてもいい方向に変えられないと根拠のない決めつけをしがち。
・不安や憂鬱感、無力感などの感情の原因となり、行動への意欲を低下させる。
心配犬
・将来のことを憂い、今後もネガティブな状況になると心配する。
・不安や恐れなど、活力を下げるネガティブな感情を生み出す。
無関心犬
・どんなことでも我関せずの立場を取り、物事に無関心。
・ときに疲労感を生み出し、自分と周囲の意欲喪失の原因になる。

 

思い込み犬はこれまでの経験や環境の中でいつの間にか身に付いてしまった思考パターンのようなもの。心の中に住みついている思い込み犬を認識し、自分にとってどういう存在かを見極めることが大切です。

見極めた方向性によって、間違っているなら「追放」、受け入れられるなら「受容」、正しいとは思わないが100%間違ってもいない場合は「訓練・手なずけ」といった付き合い方で対処していきます。

このステップは、社員本人のセルフケアとして有効なだけでなく、人事や現場の管理職が社員の本音に耳を傾け、サポートする際の大切な視点にもなります。

  • 「性格」ではなく「思考の癖」として受け止める
    社員が「どうせ私には無理です(諦め犬)」「また失敗して周囲に迷惑をかけます(心配犬・謝り犬)」と苦しそうに訴えても、言葉通りに本人の性格の暗さや能力の低さと見なすのは早計です。むしろそれは過去の経験から身に付いた「思考の癖(認知のゆがみ)」として捉えなければなりません。

  • 対話を通じて「犬」と本人を切り離すサポートを
    1on1などの対話を通じてこうした言動が見られたら、これが過去から来る「思い込み」であるという気付きを与えるようにしましょう。その上で、別の解釈を優しく提示するなど、「思考の癖」と切り離して捉えられるようアシストしていきます。

ヒント3 「感謝」の力を高める

ポジティブ感情、特に感謝の感情を豊かにすることは、社員個人のクリエイティビティやパフォーマンスが向上するだけでなく、離職率の低下にも効果があると見られています。

こうしたポジティブ感情の高め方としてエクササイズ(運動)・セイバリング(心地よさを味わう)・自分へのご褒美・ポジティブポートフォリオ(記録)・感謝日記(3 Good Thingsなど簡単なものでも)が挙げられます。

例えば、チームミーティングの冒頭や日報の最後に、「今日うまくいったこと・感謝したいこと」を3つ書き出し、共有する……といった形で、自然に取り入れてみましょう。

「感謝を伝える」ことは、伝えられる側だけでなく、伝える側にとってもメリットが大きいとされ、「脳の広範囲が活性化する」というデータも見られます。感謝を贈り合うための仕組みを整え、社内の「ありがとう」の総量を意図的に増やすアプローチも効果的です。

 

 

「働き手の今」を把握し、社員のウェルビーイング向上へ

今回のウェビナーでは、主に個人で取り組むレジリエンスの高め方をご紹介しました。一方で、企業が主体となって社員のレジリエンスを高めウェルビーイングにつなげるには、個々のケアにとどまらず、「日本の働き手全体」の状況や考え方をしっかり把握しておく必要があります。

ランスタッドの最新調査「エンプロイヤーブランド・リサーチ2026」には、先にご紹介した「会社を辞める最大の理由」が変化している様子など、「働き手の今」が反映されています。まずは調査レポートをダウンロードして、働き手の現況を把握するところから始めてみませんか。

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