リモートワークの普及や働き方の多様化により、従業員同士のコミュニケーションは大きく変化しました。オフィスでの何気ない雑談が減り、以前よりも組織の一体感が希薄になったと感じる企業も少なくないのではないでしょうか。このような時代だからこそ、従業員エンゲージメントの重要性があらためて見直されています。
実際に、ランスタッド「エンプロイヤーブランドリサーチ 2025日本版」の結果でも、「1年前と比較してモチベーション/エンゲージメントが向上した要因」として、約24%の働き手が「職務に対する十分な評価と感謝」を挙げており、その重要性が伺えます。
毎年11月23日は「勤労感謝の日」。この国民の祝日を、従業員同士、そして経営者から従業員へ、日頃の想いを伝える特別な機会として活用してみませんか?感謝の気持ちを伝え合う貴重な機会として、これまでも多くの企業に勤労感謝ウィークに賛同いただきました。
今回は、株式会社ロッテが参画した2024年の取り組みや具体的な効果、成功の秘訣をご紹介します。
2025年 勤労感謝ウィークへの参画はこちらから
【お話を伺った方】
株式会社ロッテホールディングス
人事戦略部 人事戦略課 DEI&エンゲージメント推進チーム
望月 真里子 様
株式会社ロッテ
マーケティング本部第一ブランド戦略部
古市 丈二 様
株式会社ロッテ
広報部広報二課
清水 成家 様
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ー 勤労感謝ウィーク2024参画のきっかけはどのようなことだったのですか。
望月様:きっかけは、弊社社長が掲げた「従業員とその家族を大切にする会社、従業員が誇りを持てる会社にしたい」という強い想いです。まずは家族向けのファミリーデーを企画し、実行したのですが、次に職場内の関係性を良くするための施策を検討しているところでした。
古市様:また、2024年はロッテのチョコレート事業60周年でした。60周年を迎えるにあたり、チョコレートが持つ価値をあらためてお客様に提供できないかと考える中で、論文などで「チョコレートはコミュニケーションに向いている」というファクトが少なくないことに気づいたのです。そこで、チョコレートが与える社会生活や心への影響の研究などを行う「ちょこっと幸せ研究所」として、有益な情報発信をしながらPRを始めました。
会社のビジョンと周年記念、マーケティング的な事情がうまくリンクしたところにランスタッドから声をかけてもらったことが、勤労感謝ウィーク参画への後押しとなりました。
ー 勤労感謝ウィークで開催されたイベントについて教えてください。
望月様:日頃の感謝や労りの言葉を「ガーナミルクチョコレート(板チョコ)」を通して伝え合う「労(いた)チョコ」という企画を実施しました。
まず社内向けの施策として、株式会社ロッテホールディングスの代表取締役社長 CEOの玉塚と、株式会社ロッテの代表取締役社長執行役員の中島に、それぞれに従業員への手書きメッセージを書いてもらいました。これを社内報の記事で取り上げ、従業員にも周知をしました。
ほかにも、食堂やコミュニケーションスペースにチョコレートとメッセージ用のペンを用意し、従業員同士がお互いにメッセージを書いて渡し合えるようにしました。上司が部下全員分を書いて職場に持ち帰ったというような例もありました。社外向け施策では、チョコレートプラネットさんとのコラボレーション企画や、プレスリリースの発信も行いました。
ー 社員からはどのような声が寄せられましたか。
望月様:食堂で参加してくれた社員からは「こういう機会があると日頃伝えられていない感謝を伝える気持ちにもなる」、「板チョコがロッテならではなので貰うと嬉しい」、「いい企画なので今後も毎年続けてほしい」という声がありました。
貰った側には「恥ずかしいけどとても嬉しい」と、メッセージを机やロッカーに飾って大切にしている人もいます。中には家族、特にパートナーへ「労チョコ」を持ち帰るケースもあり、会社がチョコレートをきっかけとしてそうした機会を提供できたことは、ロッテらしさも感じられてとても良かったと思います。
古市様:実際に食堂で様子を見ていましたが、みんなすごく楽しそうに書いて、上司などにも気軽に渡せていたと思います。あらためて言葉にするのが難しいメッセージも、こういうちょっとしたツールがあるだけで伝えるための敷居が下がる。つくづく魔法のような力だなと感じました。
ー 勤労感謝ウィーク以外にも、社員のエンゲージメントを高めるためのイベントなどを行っていますか。
望月様:社員とそのご家族を対象に、工場見学や食育推進プログラムの体験、コアラのマーチくんとの記念撮影などができる「ファミリーデー」を実施しています。2024年度は本社と浦和工場で実施しましたが、2025年は本社、全4工場とマリンスタジアムで開催しました。先に触れた通り、社長はかねてより「従業員とその家族を大切にしたい」と強く考えており、その真摯な姿勢と強い想いは、着実に伝わっているのではないかと思います。
ー イベント以外にもさまざまな取り組みを推進していらっしゃるようですね。
望月様:社員のエンゲージメント調査も毎年実施しています。役員に対して個別に調査結果を報告し、従業員規模の大きい工場に対しては、管理職向けの勉強会を開くなどの施策を行っています。また、DEI & エンゲージメント推進課も積極的に活動しており、性別問わず育児に参加できる環境を作るためのガイドブック配布や同性パートナーシップ制度を設計するといった取り組みがあります。
清水様:ポータルサイトから見られるWeb社内報は、従業員エンゲージメント向上を目的に、経営方針など従業員として知りたいこと、経営層からも知ってほしいことを頻度高く発信しています。ダイバーシティ推進や部署同士の相互理解が深まるようなコンテンツを増やしているところです。
ー 従業員の声などで、取り組みの効果を実感することはありますか。
望月様:数年前まで男性育休取得率は2~3%だったのですが、近年は60~70%まで伸長しました。取得率だけでなく平均日数も増えて、育休の取りやすさへの感謝の声は多いですね。また、昨年は管理職向けのダイバーシティ勉強会を開催したこともあり、「相談に乗りやすくなった」、「会社が良い方向に変わってきている」という声をいただくこともあります。
ー 今後の勤労感謝ウィークや、従業員エンゲージメントに関する取り組みについて考えていることはありますか。
望月様:勤労感謝ウィークについては、2025年も実施して職場のメンバー同士で感謝を伝え合うきっかけとして根付かせたいと思っています。社内における開催範囲も広げていくことを検討しています。
課題を抱えている部署に人事が「改善してください」と言うだけで改善していくのは難しいものです。理想は「会社や職場を良くするために何ができるか」を従業員自身が考える組織にしていくことです。その仕組みを整えていきたいと考えています。
古市様:マーケターとしてはインターナルブランディング、つまり社内のメンバーが自分たちの商材、商品に価値を感じて自信を持てるかも大事なポイントだと考えています。実際に、ブランドの歴史や今までの背景を理解できるような場も作っています。
清水様:私も子育て世代なので、ロッテ社内の変化をすごく感じていますし、感謝しています。広報としてさまざまな部署の方の話を聞くと、自分たちの取り組みの価値に気づいていなかったケースがよく見受けられます。それを世の中にアピールしていきたいですし、そのためにまず社員自身に価値に気づいてもらうことがすごく大事だと思っています。勤労感謝ウィークのような取り組みは、そういう意味でも良いきっかけになりますね。
ランスタッドは、2025年11月10日(月)から23日(日・祝)まで「勤労感謝ウィーク」を開催するにあたり、本プロジェクトにご参画いただける企業を募集しています。人材不足が課題となるなか、従業員エンゲージメント向上のためには「十分な評価と感謝」が重要です。
ご参画いただいた企業様には、社内でご活用いただけるオリジナルデザインのバナーなど、感謝のメッセージツールをご提供します。さらに、各社の取り組みを特設ページでご紹介するほか、プロジェクト終了後には、情報交換の場として毎年ご好評をいただいている交流会にもご招待いたします。この機会に、感謝の気持ちを伝え合う文化を一緒に育てていきませんか。
勤労感謝ウィーク2025 開催概要 【期間】2025年11月10日(月)~23日(日・祝)
【参画企業】株式会社アドワールド、株式会社エイブルコーポレートサービス 他、エーエスエムエル・ジャパン株式会社、株式会社キングジム、株式会社サーラコーポレーション、株式会社SAKURUG、シロタ・ウェルス・アンド・ウェルビーイング・アドバイザーズ、株式会社ティアフォー、ランスタッド株式会社、株式会社ロッテ (50音順、2025年9月30日現在) 【後援】 オランダ王国大使館、在日オランダ商工会議所 【応募締切】 2025年11月1日(土) 【参画費】 無料 |