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どんな項目が必要?退職証明書の書き方・テンプレート

作成者: randstad|Jun 12, 2024 12:00:00 AM

従業員の退職後に求められることがある「退職証明書」。

発行義務があるため、求められた場合は応じなければなりません。必要な項目や記入時のポイントなどをご紹介します。

 

 

退職証明書とは?

企業が発行する「その従業員が退職した」ことを証明する書類

退職証明書とは、企業が退職する従業員に対して「当該従業員が確かに退職したこと」を証明する書類です。正社員はもちろん、アルバイト従業員から発行を求められることもあります。

退職証明書は労働基準法で発行の義務が定められていますので、従業員から希望があった場合は速やかに発行しなければなりません。しかし、すべての退職者に必ず発行する必要はなく、従業員の希望がなければ発行しなくても構いません。

 

発行義務はあるものの、決まった書式はない

退職証明書に特に決まった書式はなく、退職したことを証明する文言や、証明者である事業所の住所・事業主名といった「退職証明書として成立させるための項目」以外には必須とされる項目もありません。

しかし、従業員の希望があれば、他にもいくつかの項目を掲載することがあります。特に「退職年月日」や「退職理由」などは掲載されるケースがほとんどです。また、使用期間や従事していた業務の種類、在職中の地位、在職中の賃金額などが掲載されることもあります。

 

離職票とは発行元が違い、在籍証明書とは扱いが違う

退職証明書と混同されがちな書類に「離職票」と「在籍証明書」があります。

「離職票」は退職時に公的機関を通して発行することが法律で義務付けられている公文書で、ハローワークが発行します。

「在職証明書」は、企業が「当該従業員が確かに在籍している、もしくは在籍していた」ことを証明する書類です。保育園の入園申請などで必要とされることがあり、在職中の(退社予定のない)従業員が発行を求めるケースも見られます。項目内容は退職証明書と類似しています。退職証明書と異なり、企業には発行義務がありません。

 

 

退職証明書が必要になる場面とは?

 国民健康保険や国民年金の加入手続き

退職者が国民健康保険や国民年金の加入手続きを行うにあたり、これまでの勤務先の健康保険や厚生年金から脱退した証明として、退職証明書などの提出が求められます。

 

 

転職先企業からの請求があった

退職者の転職先の企業が退職者に対し、退職証明書の提出を求めることがあります。主に退職理由や前職の賃金、前職で従事していた業務内容などを確認するのが目的といわれます。

なお、退職証明書は退職者本人に対して発行されるものであり、転職先企業と退職する企業が直接やり取りすることはできません。退職証明書に必要な項目などは退職者を通じ、本人の意向も交えてすり合わせる必要があります。

 

 

失業給付の申請に離職票発行が間に合わない

失業給付の手続きを行う場合は基本的に離職票を用いるため、退職証明書は不要とされています。ただし、企業の離職票発行手続きが遅れたなどなんらかの理由がある場合は、退職証明書を提出するケースも見られます。

 

 

退職証明書のテンプレート例と書き方のポイント

引用:東京労働局

 

 

退職年月日は転職先の雇用契約開始日と重複させない

退職証明書における退職年月日は、一般的には「退職する月の月末」の日付が記載されます。ただし、退職する月の途中から転職先との雇用契約を開始するなど「雇用が重複する」期間があると、社会保険の手続きが複雑になる場合があるので、退職者に記載するのは「退職する月の月末」で問題ないか確認しておくとよいでしょう。

 

賃金額を掲載する場合は「離職票代わり」を想定して

退職証明書に掲載された「在職時の賃金額」については、転職先が賃金額をチェックするケースだけでなく、離職票の代わりに基本手当の給付手続きに使われるケースもあります。そのため、給付手続きに合わせて「税金や社会保険料などを差し引く前の額に、残業代や交通費を加えた金額」を記載するようにします。

 

 

人事が知っておきたい退職証明書のQ&A

ここからは退職証明書の発行時によくある疑問にお答えしていきます。

 

Q.家族が本人の代理で退職証明書を請求してきたら?

「体調不良で本人が手続きできない」と、従業員の家族から退職証明書の請求がありました。発行し、家族に渡してしまってもよいのでしょうか?

 

A.委任状などで身分確認し、宛先を本人にして発行する

退職証明書は基本的に本人宛に発行するものです。本人による手続きが難しく家族が代行するような場合でも、委任状を用意してもらい、代行する方の身分確認をしましょう。また退職証明書は家族に直接渡さず、本人の住所へ本人宛に郵送するとよいでしょう。

 

 

Q.退職証明書の内容に関して外部から問い合わせがあった。回答したほうがよい?

退職した従業員に発行した退職証明書について、転職先より委託されたと思われる企業から内容照会の問い合わせが入りました。回答した方がよいのでしょうか。

 

A.回答すると個人情報保護法に違反する恐れがある

退職証明書の内容について、退職者本人以外の第三者へみだりに開示することは、個人情報保護法違反にあたる可能性が高いです。「個人情報に関わるお問い合わせには応じかねます」などとして断った方がよいでしょう。

いわゆる照会ではなく「必要な項目が欠けているので情報を提供してほしい」といった場合でも、第三者ではなく退職者本人が直接、退職証明書の再発行を依頼すべきです。

 

Q.退職後何年も経ってからの退職証明書請求、応じるべき?

5年前に退職した元従業員から退職証明書の発行を依頼されましたが、正直「5年も経っているのに……」という印象です。発行の義務は恒久的なものなのでしょうか。

 

A.発行の義務があるのは退職後2年以内。どうするかは企業次第

退職証明書を請求できるのは、会社を退職してから2年以内と定められていて、それ以降は企業の発行義務がなくなり任意となります。ただし「発行できない」わけではありませんから、退職後2年を超えて請求があった場合どう対応するかをあらかじめ確認し、担当部署で共有しておきましょう。

 

Q.「退職証明書に記載する退職理由を誤魔化してほしい」と言われたら?

懲戒解雇した退職者から「転職先に退職事由を記載した退職証明書を提出しなければならないが、懲戒解雇ではなく自己都合だったことにしてほしい」と依頼されました。応じても問題ないでしょうか?

 

A.事実に反する内容は記載できない。「記載しない」ことは可能

退職証明書に事実に反する内容は記載できません。特にこの場合、会社の名で経歴詐称の片棒を担ぐことになってしまいます。一方で、退職者が希望していない事項については「掲載できない」ことになっています。求められている以上、退職事由を掲載せずに済ませることは難しいかもしれませんが、退職者へ「解雇された事実のみを記載して、解雇事由は記載しない」といった折衷案を提案することはできそうです。

 

 

センシティブな個人情報として慎重に扱って

退職事由や賃金額などセンシティブな個人情報が含まれることも多い退職証明書。人事担当者は会社の都合だけでなく退職者の希望もしっかり確認し、間違いのないように発行していきましょう。

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