多くのコールセンターが、オペレーターの離職率の高さに頭を悩ませています。高い離職率はサービス品質や顧客満足度の低下、生産性の低下、採用・新人教育コストの上昇を招き、経営に深刻な影響を与えかねません。
ストレスの大きな役割を担うコールセンターでは、「体調不良」が退職理由のトップ。続いて「家庭の事情」「結婚・出産・育児」が挙げられますが、その裏には隠れた“真の退職理由”があることが調査により明らかになっています。
やむを得ない理由で退職するケースはもちろんあります。しかし、産休・育休や介護休暇の利用、シフト調整などができれば離職せずに働き続けられるケースも多くありそうです。それでも退職を選ぶのは、背景に下記のような理由があるからです。
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どの業界でも人材不足が深刻な問題となっている近年、優秀な人材を新たに採用するのは決して簡単なことではありません。今在籍しているオペレーターを正しく育成し、定着してもらえるようサポートしていく必要があります。育成において大切になるポイント3つをご紹介します。
帰属意識やCS意識の醸成に注力して足場を固めることが、ロイヤリティへとつながり「心の揺れ」を防ぎます。そのためには、入社時から会社の方向性やビジョン、センターの方針やポリシーをしっかりと示すことが肝要です。
初期の導入研修で自信を失い、モチベーションが下がってしまうケースが多くあります。一方的な詰め込み型研修は避け、バリエーション豊かなスモールステップのカリキュラムを組む必要があります。
体系化したフォローアップ研修を年間プランで組み、クレーム対応については研修でその意味を理解させることで心を強くします。公正明快な評価制度やキャリアパス制度を構築することも重要です。
オペレーターのストレスを軽減し、モチベーションを維持するための支援体制も欠かせません。組織心理学に基づいた4つのリテンションポイントで、離職率の低いコールセンターを目指します。
ワーキングメモリー機能を向上させる教え方をすれば、必要に応じて必要な情報を想起しやすくなります。さらにクレーム対応力を育成し対応時間が短縮できれば、ストレスも軽減。クレーム対応時間が2時間から40分に短縮されたという実績もあります。
技術を教えるだけでなく、日常的な声かけで心をサポートすることも重要です。感情や思考の整理を促し、ストレスやトラウマへの心理的ケアをしていきましょう。
健康はオペレーターが個々に管理するものではあるものの、コールセンター全体で健康志向型組織を構築していきます。オペレーターがストレスを感じている時には気持ちを吐き出させ、脳に疲労を蓄積させないことが大切です。
多くのコールセンターで派遣社員が活躍していますが、離職率を低減させるためには会社・派遣会社・オペレーターが一緒になって改革に取り組む必要があります。問題発生時に即対応できるアジャイル型組織を目指し、OODA※ループで運営していきます。
※OODA:Observe(観察)、Orient(方向付け)、Decide(判断)、Action(行動)の頭文字
[講師プロフィール]
フィンランドのLyhytterapiainstituuttiにてヨーロッパを中心に世界25か国に広まりを見せる組織活性化技法の指導者資格を取得。現在はオランダに本社のある世界最大級の人材会社ランスタッド株式会社のクライアントソリューション 組織開発ディレクターとして国家機関、地方自治体、企業、病院などで産業競争力を高める人材育成や組織改革の技法を広めている。
ランスタッド クライアントソリューション 組織開発は、「産業組織心理学や臨床心理学」の専門的なアプローチで、オリジナルの研修やアドバイスを行いながら、従業員の方々のパワーアップと組織活性化で、産業競争力を高めます。お客様の課題に合わせてオーダーメイドの研修や様々なアドバイスを行いながら、ランスタッドが提供する様々なサービスを提供いたします。 ▼組織開発に関して
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