法人向けHRブログ workforce Biz

従業員のウェルビーイングが生産性に影響?|ランスタッド法人ブログ

作成者: randstad|Aug 3, 2021 3:00:00 PM

従業員の生産性とウェルビーイング、どちらも高めるためにできること 

人類の経済の歴史は生産性の追求の歴史です。過去を振り返ると綿繰り機、組立ライン、パーソナルコンピューター、このどれもがより多く、より速く作業を行うための技術革新の歴史の一部です。

従業員のウェルビーイングが今日の多くの企業の優先課題になっている理由をいくつか挙げます。

 

従業員は勤怠状況が良好

心身の健康に注意を払う従業員はシフトに合わせてきちんと出勤する傾向があります。生産性と労働力の安定の観点から非常に重要なポイントです。例えば、オーストラリアで行われた従業員の健康に関する 調査 (※1) では、健康に問題のある従業員の病欠連絡の頻度は問題のない従業員の9倍にも上ります。米国では、疾病対策センター(CDC)が肥満の女性はそうでない女性に比べて平均で7日、病欠が多い (※2) という調査結果を発表しています。
 

幸福度の高い従業員は定着率が高い

従業員の士気とウェルビーイングが高ければ離職率が低下します。新規採用コストは既存従業員に定着してもらうためのコストよりも高くつきますので、損益にとっても明らかにプラスになります。さらに、すでに検証済みの従業員の方が見習い中の従業員よりも生産性が高いのが一般的です。
 

従業員への配慮はエンプロイヤーブランドの重要な要素

エンプロイヤーブランドは採用活動という旅のパスポートです。雇用主としての評判が高くなければ、優秀な人材を逃し、人材獲得競争から置き去りにされかねません。
 

従業員向けウェルネスプログラムは人気の特典

ウェルネスプログラム、ワークライフバランス、その他人生を前向きに過ごすための特典は今やCレベル役員だけのものではありません。製造業などの業種でも、毎月給与を得る以外に、その企業で働くことによって自分の生活がどう良くなるかを考える求職者が増えています。 ランスタッドの調査(※3)によると、人事責任者の62%がウェルネスプログラムが人材確保に極めて重要またはとても重要と回答しています。
 

ここまででおわかりの通り、従業員のウェルビーイングに取り組むと※4)、生産性にかかわるさまざまな物事に間接的に対処していることになります。勤怠、従業員の士気、優秀な人材の確保と定着もそうです。ですが従業員のウェルビーイングと生産性のつながりはその域に止まりません。

 

従業員のウェルビーイングと生産性の相関関係

従業員のウェルビーイングが生産性にどのような影響を与えるのかを具体的に知るために、もう少し掘り下げて考えてみましょう。複数の機関が複数の国で行った従業員のウェルビーイングに関する調査の統計データをいくつか集めました。以下にご紹介する事実と生産性とのつながりを考えてみてください。

 

体の健康が生産性を支える

事実:

ブリガムヤング大学、Center for Health Research at Healthways、Health Enhancement Research Organizationが健康習慣が労働者に与える影響を調査した結果、主に 次のことがわかりました ※5)
 
      • 健康的な食生活を続けている場合、仕事のパフォーマンスが高い確率が25%高まる
      • 週3回以上運動している場合、仕事のパフォーマンスが高い確率が15%高まる
      • よく食べ、よく運動する労働者は欠勤の確率が27%低い

生産性との直接的なつながり:

体が健康な人は一般に仕事が速く、効率的で長時間働けます。想像してみてください。偏頭痛、腹痛、うめくような足の痛みと闘っている人が、目の前の作業ときちんと向き合えるでしょうか。健康に問題があったり、実際に症状があれば注意力もやる気も遂行能力も低下する、多くの人はそう答えるはずです。
 

雇用主にとってのポイント:

従業員のケアのためにどうサポートできるか考えてみましょう。健康に役立つ福利厚生を提供する、休憩中に体を動かすよう促す、職場に健康的な軽食や食事を用意するなどの方法があります。
 

 

幸福度の高い従業員は生産性が高い

事実:

オックスフォード大学の調査によると、幸福度が高いと自己評価した労働者は悲しいなどの幸福度の低い労働者よりも 生産性が13%高い(※6)という結果が示されています。
 

生産性との直接的なつながり:

幸福度が高い人は自分の活動に集中する傾向があります。仕事に満足していればなおのこと意欲も高まります。つまり、そこにいることを自らが望み、良い仕事をすればその場に居続けることができ、昇進、昇給、賞与などの恩恵にあずかれるかもしれません。
 

雇用主にとってのポイント:

ハッピーではない人を魔法のようにハッピーにすることはできませんが、従業員自身が自分の幸福度に対処できるような制度を整えることはできます。例えば、仕事以外の機会を利用したり、個人の用事に時間を取ることができるフレックスタイム制のほか、自己研鑽のための教育給付金、チームの結束力を高め、楽しい職場環境を作るための交流機会なども一案です。
 
 
 
 

メンタルヘルスの問題を放置すると生産性が低下

事実:

アメリカ精神医学会は、気持ちの落ち込みを放置すると生産性が 35%低下 (※7)するおそれがあると指摘しています。ですが、メンタルヘルスの診断を受けた人のおよそ80%は治療、投薬その他の正しい対処を行うことによって仕事のパフォーマンスが改善したと申告しています。
 

生産性との直接的なつながり:

診断のありなしにかかわらず、メンタルヘルスの問題は記憶、批判的思考、集中力などの認知機能に大きな影響を与えます。認知機能が正しく働かなければ、手元の作業に集中することはできません。心のコンディションは疲労などの体の症状として現われることもあり、これも生産性低下の原因になります。しかも、気持ちが落ち込んだり、不安を感じている時は仕事を含め日常の物事に集中したり、気を配ることができなくなるだけでなく、メンタルヘルスは生産性にも大きく影響します。
 

雇用主にとってのポイント:

従業員が自らの心の健康を意識できる方法を考えましょう。従業員支援プログラムも選択肢の一つです。こうしたプログラムや従業員に気持ちよく働いてもらうことを目的に提供する手段は、従業員の心の健康を守ることにもつながります。
 

 

ストレスを抱えた従業員は生産性が上がらない

事実:

イェール大学が行った調査によると、労働者の約 30%が仕事に対して 極度のストレスを抱えています (※8)
 

生産性との直接的なつながり:

原因はともかく、負のストレスは体にも心にも影響を与えます。慢性的なストレスは特に問題です。従い、従業員が仕事によって日常的にストレスを抱えている場合は、思考力も気持ちもベストではない可能性があります。前述の通り、生産性にも影響します。しかもストレスが限界を超えて燃え尽き症候群に至ると、すべてを放棄し、仕事ができているかいないかを気にすることなくただタイムカードを押すためだけに出勤するようになるかもしれません。
 

雇用主にとってのポイント:

職場内のストレスに注意を払い、プロセスや企業風土がストレスの温床になっていないか検討してください。もちろん、雇用主としては従業員に高い基準を求め、個人の可能性の追求を手助けしたいと考えているでしょう。ですが、一度立ち止まり、目標が挑戦的かつ現実的か、適材適所の人員配置ができているか、風通しが悪くないか、採用プロセスの中でチームとのなじみの良さを確かめているかを見直してください。職場内の無用なストレスを軽減できます。
 

 

従業員の生産性問題は実際にあるのか?

すべての雇用主が従業員のウェルビーイングに配慮する必要がありますが、必ずしもすべての企業に今現在生産性の問題が発生しているわけではありません。問題の存在を知らなければ対処はできません。ですから従業員の生産性が適正水準であるかの見極めが大切です。例えば、次の質問を考えてみてください。

      • 顧客は提供している製品やサービスに満足しているか
      • 収益を上げているか、人件費と理想の成果は見合っているか
      • 現在の人員で目標や必要事項を達成できているか
      • 各チームや従業員は求めたことに応えられているか

この4つのポイントは生産性を判断する良いものさしになります。大きな問題に発展する前に早速取り掛かりましょう。

 

 

従業員の生産性はますますの重大事項

世界のほぼすべての企業が生産性改善の必要性に迫られ、リモートワークを選択肢にしにくい製造業などの業種では特にプレッシャーが増しています。いくつかの事実を挙げます。

      •   顧客からの要求はますます厳しくなってきています。
      •  予算はますます厳しくなっている。
      • 人材の獲得はますます厳しくなっている。

これらの事実は長いリストのうちのほんの一部です。そしてすべてが同じ結論を指し示しています。企業はより少ない資源でより多くの成果をあげなければならない。これが意味するのは、従業員の生産性を最大限に高めなければならないということです。従業員一人ひとりの投入量が最大化すれば、より少ない資源でより多くの成果をあげられます。

 

多くの企業にとって従業員のウェルビーイングが優先課題に

その一方で、綿繰り機や産業革命当時の製造ラインの時代は遠い過去、従業員やその擁護者たちがより良い労働条件を求めて闘ったのは100年以上前の話です。場合によってはその闘いが今も続いていますが、多くの雇用主が従業員のウェルビーイングが全員にとっての利益であることを理解しています。

 
※1  https://www.medibank.com.au/Client/Documents/Pdfs/The_health_of_Australia's_workforce.pdf
※2  https://www.cdc.gov/workplacehealthpromotion/model/control-costs/benefits/productivity.html
※3  https://content.randstadsourceright.com/top-10-hr-trends-for-2021
※4  https://www.randstad.com/workforce-insights/talent-management/how-do-health-wellbeing-fit-your-talent-management-program/
※5  https://magazine.startus.cc/healthier-workers-productive-science-says-yes/
※6  https://www.ox.ac.uk/news/2019-10-24-happy-workers-are-13-more-productive
※7  https://www.mcleanhospital.org/essential/what-employers-need-know-about-mental-health-workplace
※8  https://www.corporatewellnessmagazine.com/article/workplace-stress-silent-killer-employee-health-productivity

 

 

 

著者

sandra ebbers
vp global concept inhouse & large accounts
Sandra is responsible for the implementation of the inhouse concept worldwide. This business concept adds value to large organizations by optimizing their workforce and guiding flex workers in a cost efficient way of working.
 
※本記事は、ランスタッド本社配信の記事を再編集の上掲載しています