週末までに対応を終えなければならない重要な注文が100件あります。月曜日と火曜日、基幹生産チームの一人が出勤しませんでした。水曜日と木曜日、別のスタッフが仕事に集中できていません。ついに金曜日には、作業をやり終えるために、もはやてんてこまいな状況です。
聞き覚えのある話でしたか?この事態が頻繁に起きているのならば、アブセンティーイズム(勤怠不良/常習欠勤)とプレゼンティーイズム(疾病就業)の問題が潜んでいる可能性があります。これからこの2つの概念を説明し、問題を解決、防止してスタッフの生産性アップを図る方法をご紹介します。
アブセンティーイズム(勤怠不良/常習欠勤)とは、従業員が正当な理由なく常習的に欠勤する状態を言います。予定休暇や家族の緊急事態といった公認の欠勤はこれに含まれません。勤怠不良はそもそも職場に姿を現していないため、すぐにわかります。
勤怠不良の一つのケースは、まだ診断は受けていないけれども何らかの慢性疾患の症状が現われている場合ですが、多くは以下の理由によって起きます。
疾病就業は職場で極めてよく見られる現象です。リモートワークでもよく起きます。定量化が難しいため、常習欠勤ほど議論に上ることはありませんが、同じように蔓延しています。疾病就業については、主に次のような理由が挙げられます。
勤怠不良と疾病就業はどちらも組織にとって問題の種です。誰かが仕事に来なければ、他の人がその分を負担することになります。集中できない状態で仕事に来れば、ミスをしたり、作業のやり残しが発生するかもしれません。どちらの場合も全体的な生産性が低下し、最終的に他の人が不足分を補うことになります。
勤怠不良と疾病就業はどちらも文字通り、収益の低下を招きます。米国疾病対策予防センター(CDC)(英語サイト)の最近の調査によると、米国では勤怠不良によって雇用主に年間2,258億ドル(1,860億ユーロ)(約24兆2,302億円)を超える損失が生じています。この試算のためにCDCはさまざまなリスク要因を分析し、それぞれを原因とする現実的損失金額を算出しました。
勤怠不良は、他の西欧諸国でも似たような状況です。例えば英国では、2017年に調査機関、経済ビジネスリサーチセンター(CEBR)が分析した結果、無断欠勤による経済コストが180億ポンド(148億ユーロ)と試算されています。業界識者はこの数字が2030年には260億ポンド(287億ユーロ)に達する可能性があると指摘しています。
疾病就業については近年行われた大規模な経済コスト調査がなく、現在の損失を正確に特定することはできませんが、2002年のAmerican Productivity Auditの電話調査によると、疾病就業による年間損失は1,500億ドルと試算されています。欧州でも2002年の同様の調査によって、仕事に関わるストレスだけで年間200億ユーロ(約2兆6,054億円)の損失が発生しているという結果が示されており、仕事に関わる体調不良の経済的影響は推定で年間1,850~2,890億ユーロ(約24兆1,000億~37兆6480億円)に及びます。
先進諸国ではうつ病、糖尿病その他の健康状態をはじめとするリスク要因が増加傾向にあり、従って21世紀が始まった時点よりも現在の方が疾病就業の経済的影響が大きくなっていると予想して間違いないでしょう。
欠勤と不注意に伴う直接的、間接的コストは無視できる額ではありません。中小企業にとっては特に大きな問題です。勤怠不良と疾病就業を防ぐことができれば、次のような具体的メリットがあります。
では無断欠勤を封じ、疾病就業を抑えるにはどのような方法があるでしょうか。その答え、そして生産性アップの道筋は、「事前に計画を立てる」「従業員の声に耳を傾ける」「支援制度を設ける」ことです。具体例をご説明しましょう。
テクノロジーが主役のこの世界、人間が取り残されることもままあります。たとえテクノロジーを駆使できても、人間味が失われてしまったらどうなるでしょう。ランスタッドの使命は人を支え、組織とそこで働く従業員の力になること。それぞれの潜在能力を最大限に引き出します。最先端の人材テクノロジーと個々のお客様企業の事情に合った採用プログラムを融合させるのが私たちの強みです。
人と人との対話がなければ、次第に生産性が失われる、私たちはそう考えています。そうした人間性に立ち戻り、従業員と会社とを再び結びつけます。人事担当者様と密接に連携し、これまでの知見を生かして常習欠勤・疾病就業問題の速やかな解決をサポートします。
*1 1ユーロ=130.27円にて換算
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