【ランスタッド・ワークモニター】高齢化による労働力人口の減少に45歳未満の8割以上が危機感

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しかし、シニア層の継続雇用の必要性には、同4割程度の同意に留まる
一方、45歳以上の日本人の85%が「スキル習得の難しさ」を認識

 

特筆事項

■ 日本の働き手の79.8%が、今後の高齢化による国内の労働力人口の減少を懸念。特に18~44歳までの働き手の約85%が危機感

■ 一方、「ビジネスの成長にシニア層の継続的雇用が不可欠」に同意したのは、日本の18~44歳で約40%。55歳以上では69.7%で、世代間で意識に大きな差があることが明らかに

■ シニア層の雇用の見通しについて、45歳以上は他世代より否定的な傾向。さらに日本では、45歳以上の8割が「シニア層はスキルの習得に苦労」と回答。自身のスキル習得の課題がシニア雇用への期待を押し下げる結果に影響か



調査結果 概要

日本の働き手の79.8%が「今後の高齢化による国内の労働力人口の減少」を懸念。特に18~44歳までの働き手の約85%が危機感

少子高齢化による労働力人口の減少は、日本以外の国でも直面している懸案事項です。グローバルでは68.2%、日本ではそれを上回る79.8%がその課題を認識している結果でした。世代別で見ると、若年層ほど、労働力の減少への懸念度合いが強く、特に日本では44歳までの約85%が危機意識を持つことが分かりました。

 

 

「ビジネスの成長にシニア層の継続的雇用が不可欠」に同意した日本の18~44歳は約40%。55歳以上では69.7%で、世代間で意識に大きな差があることが明らかに

労働力人口の減少に危機感を持ちながらも、シニア層の継続雇用については、グローバルでは55.9%、日本では53.3%が「ビジネスの成長に不可欠」と回答するに留まりました。年齢が高いほどシニア層の継続雇用に必要性を感じている傾向ですが、グローバルと比較すると日本は世代間の意識の差が大きく、55歳以上が同69.7%であるのに対し、18~44歳では40%台前半という結果でした。

 

 

シニア層の雇用の見通しについて、45歳以上は他世代より否定的な傾向。さらに日本では、45歳以上の8割が「シニア層はスキルの習得に苦労」と回答。自身のスキル習得の課題がシニア雇用への期待を押し下げる結果に影響か

「今後5年のシニア層の雇用の見通し」について、グローバルの44.1%、日本の45.9%が「明るい」と回答しました。世代間では、グローバルも日本も45歳以上が雇用の見通しに否定的な傾向が見られました。

 

また、「シニア層のスキル習得」について、グローバルで67.9%が「苦労する」と回答したのに対し、日本では78.3%で、中国、スペイン、香港に次いで4番目に高い結果でした。世代が高くなるとその懸念がさらに強くなり、45歳以上では80%以上がスキルの習得に苦労すると回答しました。自身が新しいスキルを習得する難しさを認識していることが、今後のシニア雇用への期待を押し下げる結果に影響した可能性があります。



 

ランスタッド株式会社  代表取締役社長 兼 COO  猿谷 哲 のコメント


平成27年実施の国勢調査によると、15~64歳の現役世代の人口は5年前の調査から約400万人減少、今後も5年ごとに300~400万人規模で減っていくと予測されています。この状況を打開するためには、現役世代以外の労働力を増やす必要があり、その一つが65歳以上の方の活用です。

今年6月、安倍内閣は「ニッポン一億総活躍プラン」を閣議決定し、働き方改革の中で定年延長や継続雇用による高齢者の就業促進を掲げました。しかしプラン概要によると、60歳以上の方の中で65歳を超えて働きたいとする割合が65.9%であるのに対し、実際に65歳を超えて働いているのはわずか21.7%に留まり、「働きたいのに働けない」というギャップが生じている状況です。

今回のワークモニター調査では、日本の45歳以上の働き手が、年齢が高いほどスキル習得に苦労する状況を強く感じていることが明らかとなりました。一般的に企業におけるトレーニングは若年層を育てる趣旨で実施されることが多く、高齢層は研修の機会に恵まれない傾向にあるように感じます。また、近年におけるAI(人工知能)やビッグデータの活用によるテクノロジーの発達がスキル形成を複雑化させ、急激なビジネス環境の変化がさらに危機感を持たせる要因につながっているとも推測できます。

シニア層は短期間では決して得られない「長年の経験で培った技術・スキル」を有しています。雇用側がシニア層のスキルアップ支援や継続雇用を積極的に進めていくことで、持続的な労働力人口の減少に向け、安定的かつ継続的な戦力の維持につながることが期待できます。

 



ランスタッド・ワークモニターについて

ランスタッド・ワークモニターは、2003年ランスタッドの本社のあるオランダでスタートし、現在は欧州、アジアパシフィック、アメリカ大陸の世界34の国と地域で行われています。ワークモニターは年4回実施され、労働市場の動向に関するグローバルトレンドを調査しています。本調査はオンライン上で行われ、18-65歳の週24時間以上の勤務をする労働者を対象にしています(自営業を除く)。今回の調査期間は2016年4月22日~5月9日でした。

調査実施国: アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、ブラジル、カナダ、チリ、中国、チェコ、デンマーク、フランス、ドイツ、ギリシャ、香港、ハンガリー、インド、イタリア、日本、ルクセンブルク、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ノルウェー、ポルトガル、ポーランド、シンガポール、スロヴァキア、スペイン、スウェーデン、スイス、トルコ、オランダ、英国、米国
以上34の国と地域

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