HRラウンドテーブル 8月度開催報告【ランスタッド法人ブログWorkforceBiz】

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しょうがい者雇用へのアプローチ ~具体事例から学ぶ、採用から定着まで~

2014年8月27日、「しょうがい者雇用へのアプローチ、具体事例から学ぶ、採用から定着まで」をテーマに、ランスタッド・HRラウンドテーブルを開催、8社の人事労務関連業務に従事する方々にお集まりいただきました。


ご参加企業(あいうえお順):
  • サントリー食品インターナショナル株式会社
  • 株式会社ドコモCS
  • 株式会社日立公共システム
  • 三菱ふそうトラック・バス株式会社
  • レクシスネクシス・ジャパン株式会社
  • レノボ・ジャパン株式会社
  • 和光堂株式会社

 

冒頭、ランスタッド取締役兼首都圏本部長の猿谷哲より、「昨年4月の法改訂により、民間企業が達成しなければならないしょうがい者雇用率が2.0%に引き上げとなり、半数を超える民間企業が雇用率未達成の状況にある。職場での配慮がしやすい身体しょうがいがある方を想定して採用希望される企業が多いが、一方で近年増加傾向にある精神にしょうがいがある方の採用、受入れ、定着に課題を抱えている企業が多い。」と、ご参加企業の方々への挨拶がありました。

続いて、今年の3月に日本リハビリテーション連携科学学会で発表された「高次脳機能障害」のある方の就職活動から職場での定着にいたるまでの事例を、ランスタッド所属の精神保健福祉士・社会福祉士高田みほより紹介させていただきました。

 

 

 

(Photo: Brian Scott Peterson)

近年のしょうがい者労働市場の変化の流れを受け、それに伴う公共・民間の就労支援体制も変化してきている。厚生労働省が発表したハローワークの新規求職申込件数年次推移からもわかるように、精神しょうがいのある方の求職が大幅に増加してきている。

これまでは身体障害や知的障害の方を軸とした就労支援は、各自治体の福祉領域、特別支援学校、職業センターとの連携であったが、今後は精神障害のある方の就労が増え、採用する企業が福祉に加え、医療を含む複数機関との連携が欠かせないとの報告がありました。

 

「長期定着には、職場だけではなく、生活全般の安定を可能にする支援体制、関連機関との連携を」

「多くの企業が定着に課題を抱えているが、問題の理由が職場そのものの問題ではなく、就労者の日常の生活課題から生じているものも多く存在する。」作業訓練等就労を切り口とした職場のみの支援から、医療専門機関や生活相談支援事業との生活全般を網羅する協働支援をすることで、安定した就労や長期定着が実現するのではないかと、成功事例を交えた紹介がありました。

高次脳機能障害のある方の就労支援の事例をテーマに、症状の発症時期(急性期)から回復期、そして就労・定着、現在に至るそれぞれの間に関わった専門機関とそれぞれの機能、担当領域について解説なされ、単に企業や職場の領域だけではなく、医療、福祉、教育、また就労支援ネットワークが必要であることが強調されました。

特に、医療や福祉専門家との情報交換の際は、専門家の分析や知識を活用し、それぞれの候補者の特性(できること、できないこと)を実際に業務に照らし合わせて把握すること、周囲が配慮すべきこと事柄、そして安定して働くために得られる専門的な支援ネットワークを活用する必要性が確認されました。

(Photo: Brian Scott Peterson)

 

「定着だけでなく、職域開拓の難しさ、職場環境づくり不足から来る雇用率未達成」

参加企業の方々を交えたディスカッションでは、まず各社の現在のしょうがい者雇用状況についての情報交換がなされました。採用を希望する企業が増えたことにより、これまで以上に長期定着が難しく、他社へ転職するケースが増えてきているという現状が挙げられました。これに対して、採用枠が増えたことで、特に売り手市場である身体にしょうがいのある方は、年収が大きく増加する傾向にある。雇用形態など処遇の改善が必要になってくると、高田より回答がありました。

また、しょうがいのある方の受入れ部署や直属の管理者が対応に苦慮し、疲弊をしてしまっている現状に関しては、一般就労の準備段階に適していないにも関わらず、採用してしまったケースや、医療、福祉の専門的な支援を受けていないために、周囲に負担をかけてしまうこともある。採用の段階から主治医の意見書で特性を把握したり、相談支援事業所を活用してはどうかとの提案がなされました。

雇用率を継続して達成していくための改善取り組みの事例として、職域開拓を進め、現状外部業者に委託している業務の内部化をする動きや、主に外資系企業では、ヘッドカウントを基準とした組織戦略から、日本の雇用環境に合わせた柔軟に採用を行うための社内調整の必要性などが紹介されました。一方で、制度面に加えて、しょうがいのある社員との個別面談や、彼らの間でのネットワーク形成などソフト面での支援を整えることでの改善を試みているとの意見も挙げられました。また、求人募集をする際に、就労者のスキルや経験にあわせて、柔軟にポジションを検討することで、ミスマッチを防ぐ試みが紹介されました。

 

 

 

 

 

 

(Photo: Brian Scott Peterson)

ランスタッドでは、人事労務に関わるプロフェッショナル向けの交流型・小規模の勉強会を毎月開催しております。次回の開催は9月18日(木)、中途採用者が活躍しやすい組織作りについての発表、議論を予定しています。

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