HRラウンドテーブル 6月度開催報告[ランスタッドニュース]

記事をシェアする
Facebook Twitter LINE

【ランスタッド・HRラウンドテーブル】
変わる日本の働きかた、オランダに学ぶワークライフバランス PartⅡ

2014年6月25日、「変わる日本の働き方、オランダに学ぶワークライフバランス」をテーマに、ランスタッド・HRラウンドテーブルを、オランダ王国大使館にて開催、8名の人事労務関連業務に従事する責任者、メディアの方々にお集まりいただきました。


ご参加企業(あいうえお順):
  • オランダ王国大使館
  • JLTホールディングス・ジャパン株式会社
  • 高砂香料工業株式会社
  • DSMジャパン
  • 日本経済新聞社
  • ハイデンハイン株式会社
  • 伯東株式会社
  • ハネウェルジャパン株式会社
  • メットライフアリコ生命保険株式会社

 

冒頭、ランスタッド代表取締役会長兼CEOマルセル・ウィガースより、「オランダの働き方に多くの注目が集まっているが、真似るだけでは解決策にはならない。今日のような機会をきっかけに、日本の労働環境に適した方向性を探っていただきたい」と、ご参加企業の方々への挨拶がありました。

昼食を囲みながらの行われた、オランダ王国大使館・経済部のカーリン・ヤーハー通商担当書記官からは、日本におけるワークライフバランスを推進する意義として、少子高齢化の中で教育水準の高い日本女性の労働市場参画が経済活性化にもつながると提起されました。

 

 

 

(Photo: Brian Scott Peterson)

オランダでワークライフバランスが取り立たされるようになった経緯として、日本が現在置かれているように、女性の社会進出、働き方の多様性の広がり、労働者(特に若い世代)からの要望、社会及び家庭における男女の役割の変化、少子化などのトレンドに加え、技術革新による働き方の変化が要因として挙げられるとの紹介がありました。意外にも、ワークライフバランス浸透の動きはこの20年間で起こっており、オランダ自身も現在も過渡期に位置し、官民上げて様々な取り組みがなされていると、様々な事例のご紹介をいただきました。

(Photo: Brian Scott Peterson)

「15年前は、歯医者や買い物に行くには業務時間を犠牲に」

オランダでは、つい最近まで朝9時から午後5時までのオフィスアワーが基本であり、多くの商業施設や病院機関なども時間外対応は無いに等しかった。「5年前は歯医者や買い物に行くには就業時間を犠牲に」、家庭を持つ多くの方が仕事とプライベートのバランスを取りにくい状況にあった。また、保育施設や開園時間を充実させたい一方で、働く保育士自身がプライベートとのバランスを取れないなど、いわば「囚人のジレンマ」に陥っていたと話されました。

こうした状況を踏まえ、15年ほど前に制度改革を推進、官民の枠を超えた包括的な協力体制で市場改革を行ったとの談話が共有されました。中でも、公立の小学校のあり方を根本から見直し、朝7時半から午後6時半の間児童に基本教育に加えた、課外活動、滞在場所の提供を行うよう義務付けた事例が共有されました。また、最近のオランダの取り組み事例として、官公庁のオフィススペースが働く人に対して1席未満に削減され、在宅や柔軟な勤務を推進する事例や、従業員のワークライフバランスを促進することが、若く優秀な人材の獲得や経営戦略上重要と認識する企業が増えていることなどをご紹介いただきました。

 

 

 

 

 

(Photo: Brian Scott Peterson)

参加企業の方々を交えたディスカッションでは、オランダの事例に関する質疑応答、意見交換がなされました。、オランダの働き方に関する基本的な考え方と制度導入に伴う日本の商慣習、価値観の違いに関するジレンマなど、現状の課題が挙げられました。

「働く時間を柔軟にすることで、雇用主をする立場からはどのような反応があったのか」との問いには、「管理が複雑になることから、雇用主からは当初反発があったが、現在では労働者の権利として認められている」との回答がありました。

(Photo: Brian Scott Peterson)

「パートタイムや非正規の勤務は、処遇が低く所得格差を生んでしまっているのではないか」との質問には、「オランダでは『同一価値労働、同一賃金』が確立しており、雇用形態に関わらずすべての労働者が同等の処遇を受け、同じく社会保障費の負担という責任を持っている。最近では、短期間契約の労働者は、「より不安定な働き方」であることから、いわゆる正社員よりも高い処遇を用意する企業もある」、また「管理職に就きながら、パートタイム勤務をすることも一般的だ」との紹介がなされました。

また、「在宅勤務などの柔軟な勤務を導入することで、どのように質的・量的な業務及び成果の管理を行うことができるのか」との問いには、「オランダでは時間ではなく、働いた結果の成果や業績で評価がなされる。上司と明確な目標策定を行い、適宜進捗確認を行うため、問題と感じることは無い。むしろ、残業代が出ないことから、いかに効率的に業務を終えてプライベートを充実させるかが重要である」と、ヤーハー氏より自身の働き方を共有いただきました。

また、ワークライフバランスの中で課題として挙げられる子育てに関連し、オランダでは育児休暇を取得する男性が75%を超えるなど、男女の性別による役割分担の垣根がなくなってきているとの議論では、日本は制度の充実と共に、企業組織と社会一般の意識改革必要だとの意見が出されました。一方で、こうしたワークライフバランスや多様な働き方を推進する様々な制度が浸透しているオランダであっても、両立に苦労する共働き夫婦も多く存在するため、多くの雇用主が経営の立場から、多様な人材に十分に活躍をしてもらうための施策として、柔軟な働き方を推進しているとの談話か共有されました。

 

 

 

(Photo: Brian Scott Peterson)

    人材サービスをご希望の企業様へ

    人材に関する課題がございましたらランスタッドへお任せください

    人材サービスのご依頼ご相談

    人材ソリューションのご相談や、ランスタッドの人材サービスに関するご相談などお伺いいたします

    企業の方専用ご連絡先
    0120-028-037
    平日9:30-17:00 ※12:00-13:00除く