東京商工リサーチが12月14日発表した今冬の忘年会・新年会に関する企業調査によると、8割の企業が開催しない意向であることがわかりました。同社が昨年11月に実施した調査では開催しない企業が9割近くに上りましたが、今年はやや下がったとはいえ企業の慎重な姿勢が垣間見えます。9月末で緊急事態宣言が全面解除され、感染者数も激減しているものの、感染力が強いとされるオミクロン株の動向が気になっているようです。忘年会・新年会については79.5%が「開催しない」と回答。一方で、条件付きの開催を検討している企業もあります。
例えば、「まん延防止等重点措置の対象地域になっていなければ開催」が9.1%、「緊急事態宣言の対象地域になっていなければ開催」が7.2%、「すでに開催した」が2.6%でした。12月は規制対象地域がないことから、実際の開催率はやや高まると推定されます。企業規模別では、「開催しない」が大企業(資本金1億円以上)では82.7%、中小企業(同1億円未満)では78.8%。調査は1~9日に実施し、6765社の有効回答を集計。資本金1億円以上を大企業、同1億円未満を中小企業に区分しています。
一方、求人情報会社の調査では、忘年会・新年会への参加回数が「増えそう」と回答した人は22.1%で、「減りそう」の1.1%を大きく上回りました。予算は1回あたり「5000~6000円未満」が32.1%で最も多く、平均では4268円で昨年より34円増えています。
最も割合の高い相手は昨年と同様に「友人・知人」の25.0%で、「会社・仕事関係」は22.4%となり、昨年より少し増えた程度でした。調査は11月1~8日に実施、9616人の有効回答を集計しました。
帝国データバンクが12月14日発表した2022年の景気見通しに関する企業調査によると、来年の景気が横ばいを示す「踊り場局面」と答えた企業が40.9%で最も多かったものの、「回復局面」が22.3%、「後退局面」が12.6%と回復を見込む企業の比率が多いことが分かりました。
1年前に比べると、「回復局面」の回答比率は8.5ポイント増えており、とりわけ、「飲食店」の37.7%(同24.7ポイント増)、「旅館・ホテル」の32.6%(同17.4ポイント増)、「娯楽サービス」の29.0%(同15.2ポイント増)など、コロナに直撃された業種の回復期待が高くなっています。
一方、景気の懸念材料としては(三択)、「原油・素材価格の上昇」が82.5%で最も多く、「感染症による影響」の39.5%、「人手不足」の30.6%を大きく上回りました。政府などの政策については、「感染症の収束」を望む声が50.3%で最も多く、「原材料不足や価格高騰への対策」の41.4%、「中小企業向け支援策の拡充」が39.4%で続きました(複数回答)。
調査は11月16~30日に実施、全国1万1504社から有効回答を得ました。
求人情報会社が12月13日発表したサラリーマンの平均年収ランキングによると、20年9月~21年8月の正社員の平均年収は403万円(前年比6万円、1.5%減)となりました。男性が447万円(同6万円、1.3%減)、女性が345万円(同2万円、0.6%減)。新型コロナウイルスの影響で給与や賞与がカットされたり、テレワークの普及による労働時間の短縮などが減収の要因。男女ともこの5年間の最低となっています。
職種別では全165職種のうち、投資銀行業務が903万円で最も高く、専門職が上位を占めました。業種では全96業種の中で最も高かったのは投信・投資顧問の662万円でした。
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