メンバーシップ型雇用の終焉・75歳までイキイキと働き続けるためのキャリア戦略

人生100年時代のキャリア戦略

個人のスキル・経験に基づき、特定の職務内容に応じた人材を採用する「ジョブ型」雇用。近年にわかに注目を集めたジョブ型ですが、これから考えるべきはその先の「雇われない」働き方かもしれません。人生100年時代のキャリア戦略についてご紹介します。

キャリアストラテジー

メンバーシップ型からジョブ型へ

かつて終身雇用が前提だった時代、日本企業のサラリーマンにとって“会社に管理される”ことは当然でした。企業は実務経験のない学生を新卒一括採用して教育を施し、勤続年数に応じて年功序列で昇給していくシステム。安定的雇用と引き換えに、社員は働き方を会社の都合に合わせてきたのです。“所属する組織での出世ルールに従うこと”が生存戦略でした。

日本的な「メンバーシップ型」と呼ばれる働き方は、遅かれ早かれ終焉を迎えるであろうことに異論を唱える人はわずかでしょう。前提となっていた終身雇用や年功序列はすでに崩壊。旧態依然の体制の中で画期的なイノベーションは望めず、日本でも「ジョブ型」への移行が必然と考えられています。

この状況を加速させたのが、新型コロナウイルスの感染拡大によるテレワークの普及でした。社員は目の前にいない上司の顔色を伺う必要がなくなり、上司はプロセスではなく「成果」で業績を評価することに。言い換えれば、成果さえ出せれば毎日8時間を会社に拘束される必要などないと、多くの日本人が気づいたのです。

75歳までイキイキと働き続ける自分がイメージできますか

会社が用意したルートを会社に設定されたゴールに向かい、社員全員がひたすら邁進していたメンバーシップ型。一方ジョブ型では、ジョブ・ディスクリプションをもとに個人が個別に会社と雇用契約を結ぶことになります。

もし今あなたが会社と雇用契約を結び直すとしたら、あるいは、もしあなたが会社の経営者であるとしたら、自分をいくらで雇いたいですか?どんな雇用形態・報酬体系で何年間の契約にしたいですか? 
ジョブ型では成果に応じた報酬を得られる一方で、今現在その価値を発揮できていなければ契約が継続されることはありません。常にブラッシュアップし続けなければ、気づいた時にはどこにも働き口がない……という事態になりかねないのです。

あなたは2030年を迎える頃、自分がどうなっているか想像ができますか。現在の40代後半くらいの方までは、人口構成はまだ若年層が多いピラミッド型でした。20~30代は一般社員、40代で課長、50代で部長という構図が成立しやすかったのです。しかし今の人口構成は40代後半をピークに減少を続け、年齢を重ねても出世できるとは限りません。
もし10年後のキャリアイメージが持てないのであれば、これから75歳までイキイキと働き続けるために何が必要なのかを考えてみてください。追い求めるのは権威や肩書き? プロフェッショナルとしての熟達?やりがいや社会貢献? お金? それとも友人関係やプライベートの充実でしょうか?

75歳まで働き続け100歳まで生きるという時代

人生100年時代のキャリア戦略にシフトする

高度経済成長期の頃、日本人の平均寿命は男性60代・女性70歳前後でした。それが今や、75歳まで働き続け100歳まで生きるという時代。自分の働き方、生き方を現代に合わせてシフトさせ、キャリア戦略を設計していく必要があります。

世界中で出版され、日本でも大ベストセラーになった『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』。この本では人生100年時代に「どう生きていくか」「変化にどう対応していくべきか」を問いかけ、そのヒントを示し共感を集めました。かつてのように特定の企業にしがみつき組織に依存するのではなく、複数の収入源を持つ働き方。重要になるのは、自らのキャリアオーナーシップです。時代の変化に対応しながら充実した人生を送るためにも、50歳までに新しい働き方に軸足を移せるよう、早くから準備を進めておくことをお勧めします。

おそらくこの記事を読んでいるのは、たとえ一生暮らすのに困らないだけのお金があったとしても、何らかの経済活動・社会活動に携わっていく方でしょう。生活のためではないとするなら、では何のために働くのか。これを機に、自らの価値観を明確にしてみるのも良いでしょう。それは精神的な安定をもたらし、ストレス耐性を高めることにもつながります。
あなたが過去、幸福を感じたのはどんな時ですか?時間が経っても薄れない幸福感はどんなものですか?
健康、愛、友情、権威、名声、熟達、成長、創造、愉楽、興奮、安心・安定、自由……。気になる方は「価値観リスト」と検索してみてください。自身のキャリア戦略を設計するためのヒントが見つかるかもしれません。


取材・文責

月山 麗智子

チームマネージャー

コンシューマービジネス企業のExecutive、事業企画・開発、マーケティング、セールス、オンラインマーケティング、Eコマース、RR等のエグゼクティブ~ミドルマネジメントを中心に担当。

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