ランスタッドが理事の要職を務める日本人材派遣協会が5月20日発表した今年第1四半期(1~3月)の派遣社員の実稼働者総数は、平均35万1590人(前年同期比5.1%減)となり、4四半期連続で前年同期を下回りました。新型コロナウイルス感染拡大の影響を一定程度受けている模様。一方で、直前の2020年第4四半期の平均と比べ、5712人増えました。地域別では、最も多い南関東が19万3414人(前年同期比5.4%減)、近畿も5万4815人(同6.2%減)など、全国10地域のうち9地域がマイナス。唯一、東北だけが1万592人(同3.0%増)とプラスでした。
業務別では、最も多い一般事務が16万7746人(同5.3%増)、軽作業は9222人(同2.8%増)と伸びたものの、この2業務以外ではの機械操作が4万6081人(同12.9%減)、財務が1万616人(同10.7%減)、貿易が1万2522人(同2.0%減)、製造が9969人(同7.6%減)とすべて減少しました。
紹介予定派遣は2709人(同30.6%減)、成約件数は3100件(同23.1%減)。短期派遣(30日以内)は7万303人(同15.6%減)と5四半期続けてマイナスとなりました。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う飲食店などの営業自粛などが影響したとみられます。
厚生労働、文部科学両省は5月18日、今春卒業の大学生らの就職状況(4月1日現在)を発表しました。それによると、大卒の就職率は96.0%(前年同期比2.0ポイント減)となり、過去最高を記録した前年から大きく下がり、15年3月卒の96.7%に次ぐ水準となりました。新型コロナウイルスの感染が長引き、運輸、旅行などの業界が新卒採用を控えたことが響いたとみられます。
内訳は国公立が95.9%(同2.3ポイント減)、私立が96.1%(同1.8ポイント減)で、短大が96.3%(同0.7ポイント減)、高等専門学校が100%(同0ポイント)と高専以外は前年を下回りました。
大卒の男女別では、男子が95.0%(同2.5ポイント減)、女子が97.2%(同1.3ポイント減)。文理別では文系が96 . 0 % ( 同1.8ポイント減)、理系が95 . 9 % ( 同2 . 6 ポイント減)。地域別では中部の98 . 3 % ( 同1 . 0 ポイント減)が最高で、北海道・東北が97.0%(同0.5ポイント減)で続きました。関東は95.8%(同2.4ポイント減)、近畿は95.8%(同3.1ポイント減)、中国・四国は94.5%(同1.0ポイント減)、九州が95.1%(同0.2ポイント減)と全地域で前年を下回っています。
調査は大学、短大など112校の6250人を対象に実施。卒業予定者全体に占める割合は72.9%でした。
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