厚生労働省が7月7日発表した毎月勤労統計調査の5月速報値(従業員5人以上)によると、労働者1人あたり現金給与総額は31万1165円(前年同月比3.2%増)で53カ月連続のプラスとなりました。物価上昇分を差し引いた実質賃金指数(20年=100、持ち家の帰属家賃を除く)も84.3(同1.4%増)となり、1月以来、5カ月連続のプラス。大幅賃上げなどの効果で、プラスの流れが定着しつつあります。給与額のうち、基本給などの所定内給与は27万5942円(同3.0%増)、春ボーナスなどの特別給与は1万5220円(同5.2%増)でした。
雇用形態別の総額は、正社員が中心の一般労働者が40万312円(同3.5%増)、パートタイム労働者は11万3759円(同1.5%増)となり、一般労働者の伸びが高くなっています。
産業別で大きく伸びたのは、「金融、保険業」の57万6152円(同7.1%増)、「鉱業、採石業」の37万8874円(同6.3%増)などで、4月と同様に全16産業でプラスです。
月間総実労働時間は129.4時間(同3.8%減)で、3カ月ぶりの減少。月末の常用労働者数は5208.9万人(同0.8%増)で、パートタイム比率は31.14%(同0.09ポイント増)でした。長らく実質賃金が名目賃金を下回る状況が続いていましたが、政府の強力な政策総動員の効果が現れてきている格好です。
経団連が7月8日発表した春闘の中小企業回答状況(第1回、加重平均)によると、加盟295社の平均は1万2083円、4.20%増となり、前年同期(251社)の1万1826円、4.35%増に比べて金額は上回り、アップ率は下回りました。
製造業(165社)は1万2924円、4.46%増、非製造業(130社)は1万1040円、3.86%増で製造業の方が高くなっています。業種別で金額の高いのは輸送用機器(9社)の1万7608円、土木・建設(19社)の1万5772円など。伸び率でも輸送用機器の6.04%が最も高く、次いで電気機器の5.08%でした。
従業員500人未満の17業種754社を対象に実施、うち平均額のわかる295社について集計しました。
帝国データバンクが7月9日発表した上場企業の2025年度「平均年間給与」調査によると、平均692万6000円(前年度比3.2%増)と5年連続の増加で、増加額、増加率ともに過去20年の最高となりました。中央値は661万6000円。3月期決算の上場約3700社を対象に調査、集計しています。
前年と同様、製造業は702万6000円(同3.1%増)と初の700万円超えで、非製造業は686万8000円(同3.3%増)。最も高い業界は「海運業」の1120万1000円で、「証券、商品先物取引業」の962万1000円、「保険業」の936万円などが続きます。伸び率では「ゴム製品」の13.2%(平均給与696万円)が最高でした。
平均年収が1000万円を超えたのは過去最多の235社に上った一方、500万円未満の企業も430社あり、上場企業の間でも賃金差は広がっている様子がみてとれます。