企業などに障害者雇用を義務付けている法定雇用率が、7月から現行の2.5%から2.7%に引き上げられました。同時に、雇用義務のある企業も従業員40.0人以上から37.5人以上に引き下げられ、雇用企業のすそ野も拡大。障害者の雇用数は年々増え続けていますが、増加ペースに「仕事の質」が追い付かず、制度のひずみも拡大しています。企業の法定雇用率は2023年時点の2.3%から、わずか3年で0.4ポイントも引き上げられることになりますが、急速な引き上げに企業の負担感は増す一方です。
統計上は企業の障害者雇用数は着実に増えており、2025年6月時点の雇用数は70万4610人(前年比4.0%増)と22年連続で増えています。
しかし、企業の間で障害者雇用が広く普及しているとは言えません。実際に雇用している実雇用率は2.41%と法定雇用率を0.09ポイント下回っているうえ、雇用率を達成している企業も約5.5万社と雇用義務のある企業の46.0%に過ぎないからです。また、雇用の受け皿は大企業が中心で、1人も雇用していない企業が中小企業などで3.7万社にも上る実態があります。
未達企業は「納付金」という罰金を払う義務があるものの、今は対象が常用従業員100人超の企業に限定されていることなどから、「無雇用」を含む未達企業が減らない構図が定着しています。また、障害者雇用に必要となる「合理的配慮」まで考える余裕のない企業が多く、法定雇用率の急速な引き上げに対して、企業側の過半数が「対応困難」と答えている最近の調査も出ています。こうした状況下では、いくら雇用義務を強化しても雇用に踏み出す企業が増える可能性は低いとみられます。
厚労省の「障害者雇用実態調査」でも、障害者雇用にあたって6割以上の企業が「課題がある」と回答。具体的には「会社内に適当な仕事があるか」「障害者雇用のイメージやノウハウがない」「採用時に障害者の適性、能力を十分把握できるか」など、基本的な課題を挙げる企業が目立ちます。このため、政府は24年から短時間勤務の場合も法定雇用率に算入できるよう改正。これまで対象外だった週10時間~20時間未満の短時間勤務で、重度の身体、知的障害者と精神障害者を0.5人にカウントできるようにしました。
拠点規模が小さく、まとまった仕事量が確保できない企業、人手不足で指導者の長時間の対応が困難な企業などの雇用を側面支援するのが狙いです。
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2026年度の最低賃金(最賃)を決める厚生労働省の中央最低賃金審議会が6月26日開かれました。中央審内の「目安に関する小委員会」(藤村博之委員長)で審議し、7月下旬にも引き上げ額を提示する見通しで、「全国加重平均6%前後の引き上げ」を意識した議論が展開される模様です。一方で昨年、目安の決定を受けた地方審議会のうち、39道府県が目安を上回る答申を出したほか、大幅上昇の対応策として27県が通常の10月発効を後ろ倒しするなど、最賃制度の根幹にかかわる課題も浮上。今年の一連の動きが例年以上に注目を集めています。