就職情報会社が2月25日発表した2027年卒採用に関する企業調査によると、採用を「増やす」企業は21.7%(前年比4.8ポイント減)で3年連続の減少。「減らす」企業は10.0%(同2.5ポイント増)に増加しています。「増やす」企業の規模別では「従業員1000人以上」の大企業が24.6%(同8.7ポイント減)で最多なものの、前年より減らしています。業界別で「増やす」企業が最も多いのは「製造業」の24.3%(同2.5ポイント減)ですが、前年よりは減っており、金融、流通・商社、ITなど人気業界が軒並み前年より下がっています。
自社の採用活動の見通しについては、「非常に厳しくなる」が46.7%(同5.7ポイント減)、「やや厳しくなる」が34.4%(同0.6ポイント増)となり、合わせると80%を超えていますが、過去3年よりは少し低下しています。調査は1月26日~2月5日に実施、全国1064社の有効回答を集計しています。
また、別の就職情報会社が同日発表した27年新卒採用調査によると、採用を「増やす」企業は23.0%(同6.4ポイント減)、「前年並み」が64.0%(同0.3ポイント増)、「減らす」が7.1%(同0.8ポイント増)となり、やはり「増やす」は3年連続で減っています。
初任給については、「上げる」企業が55.4%(同1.3ポイント増)と3年連続で増えており、支給額は平均23万4223円(同3.7%増)の見通しです。調査は1月26日~2月8日に実施、全国1579社の有効回答を集計しました。
2026年春闘の攻防が佳境に入っています。3年連続の高額回答を焦点に労使が折衝を重ねていますが、大企業を中心とする3月18日の集中回答日の結果を受け、それがどこまで中小に波及するかがカギになります。連合が掲げる賃上げ目標は3年連続の「5%以上(ベースアップ+定期昇給)」ですが、格差是正に向けて「中小組合は6%以上」、「有期・短時間・契約などの労働者は7%」と目標を"分割"し、全体の実質賃金を「1%上昇軌道」に乗せるとしています。
24年は5.10%、25年も5.25%と1991年以来の2年連続5%台の賃上げを実現できたものの、労組員300人未満の中小企業になると各4.45%、4.65%にとどまり、大企業との格差が拡大しているのが実態です。賃上げの恩恵が大企業から中小企業にも浸透するトリクルダウンが実現していないことになります。
東京商工リサーチが2月初めに実施した直近の賃上げ調査(5008社)によると、賃上げ予定企業は資本金1億円以上の大企業は93.8%、同1億円未満の中小企業も82.9%に達しています。しかし、賃上げ率になると連合の目標である「5%以上」の企業は全体で35.5%、「6%以上」の中小企業はわずか7.2%です。
26年度は物価上昇が一段落するとみられることから、予定通りに賃上げが進めば実質賃金がプラス転換する可能性も出ています。国内の環境は整ってきていますが、中東などで武力衝突が始まり、世界経済に緊張が走っているだけに、政府が目指す「賃金と物価の好循環」が実現する「初年度」になるかどうか、正念場になりそうです。
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