自民党の高市早苗首相(64)の内閣が10月21日に発足しました。初の女性首相の誕生で、自民党と日本維新の会の連立政権となります。同日夜に開かれた官邸会見で高市首相は、物価高に対応する経済対策を前面に押し出し、「変化を恐れず果敢に働く。あらゆる政策を一歩でも二歩でも前進させる『決断と前進の内閣』だ」と強調しました。巨大省庁の代表格で重要ポストの厚生労働相は、初入閣となる上野賢一郎衆院議員(60)が担います。内閣の全体像と厚生労働分野に関係する主要ポストの顔ぶれをまとめました。
閣僚ポストは19で初入閣は10人。平均年齢は59.4歳となり、石破内閣発足時の63.6歳を下回りました。最年少は42歳の小野田紀美経済安全保障担当相。高市首相は人事について「全員活躍、全世代総力結集」を掲げていました。このほか、40代では小泉進次郎防衛相(44)、鈴木憲和農相(43)も入閣。最高齢は平口洋法相の77歳。また、閣僚を補佐する副大臣は計26人、政務官は計28人で構成されています。
上野厚労相は滋賀2区選出の当選6回。滋賀県長浜市生まれ。京大法学部卒業後、自治省(現・総務省)に入省。国土交通大臣政務官、自民党財務金融部会長、財務副大臣など歴任しています。就任会見では「持続的・構造的な賃上げに向けた三位一体の労働市場改革や、多様な人材が活躍できる環境整備に努める」と強調。また、付加価値を高める労働への転換、リスキリングやデジタル技術の活用に言及したうえで、「稼げる日本への変革を進め、兼業・副業を促進するとともに、最低賃金の引上げを加速させる」と述べたほか、「心身の健康維持と従業者の選択を前提にした労働時間規制の緩和の検討を行い、働き方改革を推進するとともに多様な働き方を踏まえたルール整備を図る」と宣言しました。
厚生労働省の政務三役は、上野厚労相をトップに長坂康正衆院議員(68)と仁木博文衆院議員(58)が副大臣を務めます。労働担当は長坂氏です。政務官は神谷政幸参院議員(46)と栗原渉衆院議員(60)が担い、労働担当は神谷氏です。長坂副大臣は愛知9区選出、当選5回。仁木副大臣は徳島1区選出、当選3回。神谷政務官は比例区、当選1回。栗原政務官は福岡5区、当選1回です。
厚生労働省は10月24日、2022年3月に卒業して就職した学生の3年以内の離職状況を発表しました。それによると、大卒の離職率は33.8%(前年比1.1ポイント減)、高卒は37.9%(同0.5ポイント減)、中卒は54.1%(同3.6ポイント増)となりました。
大卒は昨年まで3年連続の上昇でしたが、4年ぶりに低下。それでも過去15年で2番目に高い割合です。高卒も3年ぶりに低下。コロナ以後の景気回復と人手不足を背景に活発化していた若者の転職活動が一段落した結果とみられます。
大卒の場合、1年目の離職率は12.1%、2年目は11.9%、3年目は9.9%で、1年目の比率が前年より0.2ポイント、2年目も0.4ポイント低下しました。