製造請負・派遣事業者による国内唯一の業界団体、日本BPO協会は5月21日、都内で2024年定時総会を開き、受け入れ制度が転換の過渡期にある外国人材の活躍支援やポリテクセンターと連携した設備保全分野の人材育成、優良で適正な製造請負事業者の育成などを積極的に展開していくことを確認。
具体的には(1)キャリア形成に役立つキャリア面談の推進(2)ポリテクセンターと連携した人材育成(3)領域拡大分野での会員拡大の推進(4)支部設立推進による会員サービスの拡充――を軸に活動します。
同協会は、ランスタッドの青木秀登執行役員が理事長を務めており、政策立案と情報発信の充実などにも取り組みます。
また、23年12月に立ち上げたエンジニアリング部会について、各社の共通課題である採用・定着・育成への対応方策について情報交換を行い、部会としての具体的な事業展開を検討する方針です。
総会後の講演会では、厚生労働省民間人材サービス推進室の吉村賢敏室長が「労働力需給調整事業の現状と課題」と題して講演。最近の労働市場の動向や職業紹介事業と募集情報等提供事業(求人メディア)に関する動き、派遣制度や「三位一体の労働市場改革」などについて解説しました。
続いて、一般財団法人外国人材共生支援全国協会(略称NAGOMi)会長の武部勤氏(元衆院議員)が、「信頼され選ばれる国になるために」~外国人材受入れに当たっての提言~というタイトルで講演。
アジアの安定と日本の持続的成長のために、模範的な人材育成と確保のシステム構築を「国家プロジェクト」として取り組む必要性を説いたうえで、国会で審議中の「育成就労」創設法案や連動する「特定技能」について現場視点から提言。
風評に基づくものではなく、大規模で多面的な情報収集によって正確に把握したデータを土台に制度改正につなげていく重要性を強調しました。
経団連が5月20日発表した2024年春闘の大手企業回答状況(第1回、定期昇給を含む加重平均)によると、16業種89社の平均で引き上げ額は1万9480円(引き上げ率5.58%)となり、前年の1万3122円(3.88%)を大きく上回りました。
第1回集計で同様の水準となったのは1992年の1万2893円(4.78%)以来32年ぶりで、最終集計との比較では91年以来の最高を記録しています。