厚生労働省が3月29日発表した2022年度労働者派遣事業報告書の集計(4万3112事業所・速報)によると、派遣労働者数は214万6453人(前年度比2.6%増)で、内訳は無期派遣が82万8638人(同6.8%増)、有期派遣が131万7815人(同0.1%増)となり、無期派遣が伸びて有期派遣は横ばいでした。登録者数は796万9654人(同10.7%増)で約1割上昇。派遣先件数は79万5853件(同6.1%増)、売上高は8兆7646億円(同6.4%増)となりました。
派遣料金(8時間換算)は平均2万4909円(同1.8%増)で、内訳は無期派遣が2万5843円(同1.5%増)、有期派遣が2万783円(同2.1%増)とどちらもアップしました。派遣労働者の賃金(同)も平均1万5968円(同1.7%増)で、無期が1万6462円(同1.4%増)、有期が1万3661円(同1.9%増)で、どちらも伸びています。
法律に定められている雇用安定措置については、対象労働者112万9409人のうち、1号(派遣先への直接雇用)を講じた人数は6万1261人で、実際に雇用されたのは2万5510人。2号(別の派遣先)は59万8207人、3号(派遣元での無期雇用)は1万3897人、4号(その他の措置)は6万329人となっています。割合でみると、1号5.4%、2号53.0%、3号1.2%、4号5.3%となり、別の派遣先の紹介が半数を超えています。
一方、厚労省が同日発表した2023年6月1日時点の労働者派遣事業報告(速報)によると、派遣事業所は4万3736事業所(前年比1.5%増)、派遣労働者数は192万4455人(同3.4%増)でした。そのうち、無期雇用が79万1293人(同6.0%増)、有期雇用が113万3162人(同1.6%増)となり、無期、有期ともに増えています。
このうち、製造派遣は42万8339人(同4.1%増)で、内訳は無期雇用が16万5950人(同6.6%増)、有期雇用が26万2389人(同2.5%増)。日雇い派遣は3万9053人(同11.2%増)でした。
帝国データバンクが4月3日発表した「タクシー業界の倒産動向」によると、2023年度にタクシー企業の倒産が全国で33件(前年度比5件増)あり、過去最多だった11~12年度に迫る水準だったことがわかりました。
タクシーの倒産は「リーマン不況」の11年度に36件、12年度に34件を記録して以降は減少が続き、10~20件台で推移してきました。コロナ禍でも公的支援を通じて経営は維持できましたが、22年から始まったプロパンガスなどの燃料費高騰が収益を圧迫。これに運転手の高齢化による「ドライバー不足」も加わって行き詰まる企業が急増したようです。
同社によると、代替交通手段として「配車アプリ」を活用したライドシェア制度がこのほど部分解禁されましたが、これが業界にどのような影響を与えるかが焦点になる模様です。