ランスタッドは人を中心に据えてビジネスを展開している企業として、国連が提唱する「ネット・ゼロ」に賛同しており、地球保護に関して強い責任感をもって行動しています。「ネット・ゼロ」は企業、政府、教育機関、地域社会を含む社会全体で進める取り組みであり、温室効果ガスの排出を限りなくゼロに近づけるためには、国や地域社会のあらゆる側面が役割を担っています。日常の活動を通して温室効果ガスが発生し、その熱が閉じ込められ、気候変動に大きなダメージを与えます。
労働社会はランスタッドの中心にあります。我々は現在そして未来の両世代の人々が生きる喜びを感じ、繁栄し続けることができる世界を守っていかねばなりません。そのために我々は、1,000社を超える企業とともに、米国のGDPを上回る合計23兆米ドルの時価総額を担う一企業として、Business Ambition for 1.5°Cに賛同しています。
同時に、国連の定める持続可能な開発目標(SDGs)13「気候変動に具体的な対策を」を推進しています。パリ協定で採択された、気温上昇を1.5度内に確実に留めるという目標実現のためには、2030年までに排出量を45%削減し、2050年までにネットゼロを達成することが不可欠です。そのためには、国や企業、あらゆる事業体の運営、生産、消費のあり方を根本的に変えていく必要があります。
ランスタッドの貢献方法
ランスタッドはScience-Based Targets ネットゼロイニシアティブ(SBTi)をグローバル規模で設定しています。気候変動がもたらす最悪の事態を防ぐために、排出量削減に向けた明確なロードマップを提供しています。我々の定める目標は全て、我々の未来を守るために定められています。
我々は5つの主要分野にフォーカスしたガバナンス構造を設置し、目標を目指しています。
1. サステナブルモビリティ(持続可能な移動手段)
ランスタッドは、電気自動車(EV)への移行と、ハイブリッド勤務の導入を通して、走行距離削減を目指しています。自動車保有台数の多いOpCoを中心に段階的にEVの導入を実施した結果、2019年以降の排出量を29%削減することができました。
これ以外にも、例えばドイツでは、出張制限が設けられています。しかし、出張が避けられない場合でも、鉄道会社との枠組み同意を行い、気候変動への影響が少ない鉄道を利用することとしています。また、公共交通機関の利用が難しい地域のクライアント先に出向く際にフレックススタッフが利用できるe-bikeプランを導入しました。
2. 建物の省エネ
我々はオペレーション改善を含む、エネルギー効率化への移行を進めており、過去4年間で22%の排出量削減に成功しました。例えば、ランスタッドベルギーはBREEAM(建築研究所環境評価法)の認証を受け、100%再生可能エネルギー使用を実施しています。郵便物の75~90%はデジタル化され、「スマート」プリンターを活用して紙とインクの利用を20%削減しました。
3. 100%再生可能エネルギーによる電力
2022年、ランスタッドは使用電力の前年使用量40%を上回る、96%を持続可能なエネルギーへ移行させることができました。これにより、この分野における2019年以降の排出量を92%削減することができました。
例えば、オランダの本社では、太陽光発電への投資を含め、100%再生可能エネルギーへの移行を実現しています。Tempoチームにおいて、今年7月までに21人のソーラーパネル整備士の養成を行い、新たに整備士見習いスタッフのための研修スポットを準備する予定です。
4. サステナブルビジネストラベル(持続可能な出張)
我々の人材ビジネスは、環境に与える影響が他業種に比べて著しく低いと言えます。地域密着型でビジネスを展開しており、支店の多くがクライアント企業やタレント(人材)に近い場所に拠点を構えているため、出張を制限でき、CO2排出量を削減することができています。既に、環境への影響は最小限に抑えられていますが、継続してエネルギー効率化にフォーカスした対策を実施し、CO2排出量削減に積極的に取り組んでいきます。出張が必要な場合には、鉄道などエネルギー効率の高い手段を選ぶようにします。国際便利用の場合にはCFOの承認が必要です。加えて、旅行会社によるフライト時のCO2排出量提示など、コストセンターレベルでの排出量が確認できるようになったことで、組織全体で環境問題への認識を高め、オーナーシップをとっていくことが可能になりました。出張制限により、2019年以降この分野では排出量を27%削減することができました。
5.サプライヤーエンゲージメントポリシー
志を同じくする企業とパートナーシップを締結し、サプライヤーにも我々のビジョンを共有しています。現在、最終排出量の約25%を占めるサプライヤーが気候変動目標に取り組んでいます。また、サプライヤーごとの排出量をより適格に追跡できるよう、システム改善にも取り組んでいます。
世界各国の社員がカーボンフットプリント改善のために行動しています
2022年、ランスタッドインドはインド北部にわずか1日の期間で2,000本以上の苗木の植樹を行いました。バンガロールのオフィスでは、プラスチック製の飲料ボトルを再利用可能なガラス製のものに変えるなど、サステナビリティに向けた一歩を踏み出しました。今後の計画では、バンガロールとチェンナイの主要拠点にソーラーパネルを設置し、環境に優しいエネルギー利用を進めていく予定です。今年の世界女性デーには、3208本の植樹支援を行い、農村地域において260営業日以上に相当する雇用の創出に成功しました。植樹した木々は、成木してから毎年約64,000キログラム以上のCO2の削減効果を生み出します。さらに果実や飼料、医薬品、その他のNTFP(非木材林産物)生産を含む、農村地域における長期的資産の創出に繋がります。
ランスタッドポルトガルは、「リスボン・グリーンキャピタル2020コミットメントーアクション・リスボン2030」に署名しました。2021年と2022年には、グリーンコミットメントゲームなどの活動を通じて環境意識向上に努めました。また、農業に従事する障がい者の支援団体に呼びかけ、サステナビリティに関するスペシャルデーを企画しました。取り組みには、使い捨てプラスチックの削減、リサイクル強化、チームメンバーへサステナビリティに関するトレーニングなどが含まれます。電気自動車やハイブリッド車の社用車両数を増やすことに成功しています。
ランスタッドノルウェーはISO9001と14001の認証を取得しており、紙の使用量削減、LED照明や再生可能エネルギーの使用を通した電力による環境負荷の軽減を実施し、環境意識向上を目指しています。また、ウェブベースツールを活用し、社員のカーボンフットプリントを追跡できるほか、社員向けにサステナビリティに関する意識向上トレーニングも実施しています。
ランスタッドハンガリーは、ブダペストのBREEAMエクセレント認証を受けた、ほぼゼロエネルギーとされる建物(NZEB)にオフィスを移転しました。ディーゼル車両の購入を中止し、電気自動車の充電ステーションを設置しました。オフィス内には、3つの異なる容器を設置するなど廃棄物の分別にも徹底して取り組んでいます。個々の廃棄物処理規定を提示し、使用済み電池や電球の再利用を進め、印刷物を最小化に留めるなどペーパーレス促進も行っています。
昨年スペインでは、92人のランスタッド従業員と従業員の家族112人、そして50人の障がい者が協働してボランティア活動を行いました。485本の植樹を行い、1,807個のシードボールを作成、散布しました。
ランスタッドネットゼロアンバサダー
ランスタッドは、グローバル規模のネットゼロプログラムを実施しており、社員がサステナビリティに関する取り組みのアンバサダーになることができます。アンバサダーは、各OpCo間の架け橋となり、アイデアやベストプラクティス、そしてそれらが地域社会に与える影響について共有を行います。現在、23のOpCoから135名のアンバサダーが参加しています。
我々の取り組みについて詳しくは2023年地域別サステナビリティ・イニシアチブ・レポート*をご覧ください。