日本生産性本部が発表した「働く人の意識に関する調査」によると、7月時点でテレワーク勤務している人の割合は15.5%(前回1月比1.3ポイント減)となり、新型コロナ対応で最も高かった20年5月当時の31.5%から半減し、最も低くなったことがわかりました。
従業員1001人以上の大企業が22.7%(同11.3ポイント減)と大きく減ったのが原因で、同本部は「新型コロナの5類移行で出勤にシフトする大企業が増えたため」と分析しています。
テレワーカーの直近1週間(営業日ベース)の出勤日数は「1~2日」が最も多い37.1%(同12.8ポイント増)で、「3~4日」が30.0%(同0.8ポイント減)、「5日以上」が18.8%(同0.7ポイント減)、「0日」が14.1%(同11.3ポイント減)となり、完全なテレワークから1~2日の出勤にシフトしたことが読み取れます。
一方、自宅勤務での効率については「上がった」「やや上がった」を合わせると71.6%(同4.9ポイント増)の過去最高を記録。テレワークでの仕事を軌道に乗せている人が増えていることがうかがわれる結果となりました。
同本部は「職種、業種、従業員規模などによっても異なるが、多様な働き方のニーズに対応する選択肢の一つとして、テレワークの継続的な活用を期待したい」とコメントしています。調査は7月10、11日に実施、20歳以上の雇用者1100人の有効回答を集計しています。
また、求人情報会社が発表した「新型コロナ後の企業選びの軸」調査によると、コロナ禍を経て企業選びの軸が変わった人は3割を超え、変わった内容のトップは「テレワーク、副業など希望の働き方ができるかどうか」が過半数を占めました。
コロナ禍の前後で企業選びの変わった人は33%で、業種では「コンサルティング・士業」の43%、「IT・通信・インターネット」の40%など、比較的自由な仕事のできる業種で高くなっています。逆に「運輸・交通・物流・倉庫」が26%、「不動産・建設・設備」が28%などと低くなっています。
変わった人に具体的な内容を聞いたところ、「希望の働き方ができるか」が最多の51%で、「勤務時間など希望の条件があるか」が32%、「業績が好調か」が24%で続きます(複数回答)。最多の「希望の働き方ができるか」の希望は「テレワーク」や「副業」が中心となっており、企業のコロナ後の動きが注目されています。