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73%企業が中途採用者の賃金アップへ、「10%以上」も35%

作成者: randstad|May 17, 2023 3:00:00 PM

求人情報会社が発表した2023年版「企業の雇用施策に関するレポート」によると、中途採用者の賃上げについて、「上げる予定」と回答した企業は73.3%(前年度比17.3ポイント増)に上り、前年を大きく上回りました。賃上げ水準も「10%以上」が35.4%(同13.0ポイント増)で最も多く、「4%以上~10%未満」が18.8%(同4.4ポイント増)でした。

業種別で「上げる」が最も多いのは「商社」の80.6%で、上げ幅も「10%以上」が38.8%となっています。「10%以上」が最も多いのは「IT・通信・インターネット」の44.6%で、次いで商社、「金融・保険・コンサルティング」の37.9%などとなっています。

背景には物価高や人手不足があり、同社は「中途採用市場はさらに活発化するが、一方で、現従業員の成長と長期定着も成長戦略の重要なポイントになるだろう」と予想しています。調査は採用に携わった人事担当者1400人の有効回答を集計しました。

採用難、中途採用の充足企業はわずか19%

また、別の求人情報会社がまとめた2022年度上半期(4~9月)の中途採用動向調査によると、採用計画に対する採用充足企業の割合はわずか19.0%で、未充足企業が81.0%となっています。未充足率は21年度上半期が79.9%、同下半期が80.8%と少しずつ拡大しており、転職市場における構造的な人手不足が常態化しています。

上半期に採用計画のあった企業のうち、100%以上と計画通りに採用できた企業は19.0%に過ぎず、残りの50.7%は充足率が50%未満、30.4%は同50%以上~100%未満で、未充足を合わせると81.0%に達しています(端数を四捨五入)。

その中で100%以上だった割合の高い業界は「外食・店舗型サービス業」の22.8%、「消費財・総合商社」の22.7%、「医薬・医療・バイオ」の22.6%など。逆に低い業界は「IT通信」の14.0%、「建設・不動産」の16.6%などでした。下半期に中途採用を予定している企業の予定人数は「100人以上」が32.1%で最も多く、「10~49人以下」が30.7%などとなっています。

同社は「働く人の価値観も多様化しており、企業はこれまでの人事制度や過去の慣習にとらわれすぎず、新たな環境の変化に適応していく必要がある」と指摘しています。