求人広告媒体が発表した10月の派遣平均時給(三大都市圏、募集時)は1622円で、前月比0.3%減、前年同月比0.4%増となりました。8月は前年同月比が20年10月以来22カ月ぶりのマイナスとなりましたが、9、10月とプラスが続いています。職種別(大分類)では、9月と同様に主力のオフィスワーク系が確定申告関連の求人増で1593円(前年同月比1.0%増)。
クリエイティブ系が2058円(同8.3%増)と高い伸びをみせ、IT系も官公庁の求人が増えて2437円(同4.2%増)と過去最高を記録しています。
また、医療・介護系も介護施設の看護師需要増などで1404円(同3.6%増)と堅調に伸びています。全職種でプラスとなっており、これは9カ月連続です。
地域別では、関東が1698円(前年同月比0.1%減)、東海が1409円(同0.0%)、関西が1466円(同1.7%増)となり、関東が8月の0%をはさんで5カ月連続のマイナス続きとなっています。
3大都市圏以外では北海道が1339円(同2.0%減)、東北が1218円(同1.2%増)、北信越が1221円(同4.1%増)、中国・四国が1232円(同1.6%増)、九州・沖縄が1219円(同0.8%増)となり、北海道以外はプラスとなりました。
一方、他の求人媒体が発表した3大都市圏の10月平均時給は1546円(前月比0.2%増、前年同月比2.5%増)となりました。
求人広告媒体が発表した「正社員の賃金上昇実態と生活満足度調査」によると、年収の中央値は450万円で、4割が「低すぎる」と感じており、6割が生活に不満を感じていることがわかりました。調査は9月30日~10月2日に実施、20~50代の正社員1200人の回答を集計しています。
年収の平均は「300万~500万円未満」が最多の40.0%で、「500万~700万円未満」が23.5%、「300万円未満」が15.7%。中央値は450万円でした。年収については43.0%が「低すぎる」と感じており、「妥当」の33.3%を上回りました。理想の年収差とは100万円の開きがありました。
5年前に比べて年収の上がった人は41.9%で、上昇額の中央値は50万円。これに対して、変わらない人が33.7%、下がった人が13.8%あり、両方を合わせると半数近い47.5%に上り、日本企業の「低賃金」ぶりをうかがわせました。これを反映して、生活の金銭的な満足度は「やや不満」が36.3%、「不満」が21.5%あり、合わせると57.8%になりました。