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持続可能な開発目標(SDGs)に向けて、今私たちができること

作成者: randstad|Sep 21, 2022 3:00:00 PM

毎年9月末の国連総会の会期と合わせた1週間は、持続可能な開発目標(SDGs)の推進と達成に向けて意識を高め、行動を喚起する「SDGs週間(グローバル・ゴールズ・ウィーク)」です。2022年は9月19日(月)〜9月26日(月)がSDGs週間とされています。

パンデミック後、世界経済における経済回復を脅かす数々の進展が見られる2022年、この重要な時期に第76回国連総会が開催されます。
今日、地政学的緊張、気候変動危機、貧富の差の拡大は、世界中の何十億もの生活に途方もない混乱と不安定さをもたらしています。そのため、社会や労働力に長期的な影響を及ぼす多くの問題に対して、国境を超えてグローバルに団結し、協力することがこれまで以上に重要です。

2015年以来、この一連の努力は、国連の持続可能な開発目標(SDGs)を中心にまとまりました。この国際機関は、SDGsは "人々と地球の平和と繁栄のための共有された設計図 " であると述べています。また、国連の「持続可能な開発のための2030アジェンダ」によれば、これらの目標は、貧困と戦い、ディーセントワーク(※1) を通じてより多くの経済的繁栄を生み出し、他の重要な試みの中で地球気候を改善することを目的としています。 

 

ランスタッドのSDGsへの5つの取り組み

ランスタッドは、人材サービス事業のリーダーとして変化をもたらすために、最も効果的な5つのSDGsを推進することに注力しています。それは以下の通りです。

  • 包括的で公平な質の高い教育を実現し、全ての人の生涯学習の機会を促進する。(SDGs4)
  • ジェンダー平等を達成し、全ての女性に力を与える。(SDGs5)
  • 持続的・包括的かつ持続可能な経済成長に加え、全ての人のための完全かつ生産的な雇用とディーセント・ワークを促進する。(SDG8)
  • 人や国の不平等を是正する。(SDGs 10)
  • 気候変動とその影響による問題を解決するため、早急に行動を起こす。(SDG13)

 

世界の二極化が増す中、全ての関係者たちが国連のSDGsを中心に結集することがこれまで以上に重要になっています。

 

 

これらは国際社会が一丸となって、早急に取り組むべきアクションです。ランスタッドは、こうした形で人々に強い影響を与える活動を行う組織として、仕事の世界におけるポジティブな変化を促進し続けます。これらの価値観は、CEOのサンダー・ヴァント・ノールデンデにとって特に重要です。彼は、職場の平等を実現するための非営利団体Out & Equal Advocatesなどの理事を務め、LGBTQI+コミュニティの権利を擁護してきました。また、ディーセントワークの実現を通じて、全ての人に経済的な機会を提供することを使命としています。

私たちは毎年、自らのビジネスと、地域の持続可能な取り組みを通じて、これらのSDGsに向けて貢献しています。例えば、年間200万人が自分に合った仕事を見つけられるよう支援し、毎日50万人以上がランスタッドを通じて仕事の依頼を受けています。また、ランスタッドのコンサルタントは、単に仕事を見つけるだけでなく、キャリアアップのための雇用を獲得するためのコンサルティングを行い、働く人々の意欲を高める重要な役割を担っています。

質の高い教育を支援するため、2021年には求職者と従業員に660万時間のトレーニングを提供し、非常に大規模な労働市場に備えました。そして研修後は就職を支援し、25歳未満の求職者を76万2,000人、インターンシップに2,600人を斡旋しています。

平等性を高める取り組みとして、2021年には、1万人もの障害を持つ求職者が有意義な仕事に就くことを実現しました。また、ランスタッドでは、シニアリーダーの50%以上が女性であり、これは私たちが提唱することを実践していると言えるでしょう。


私たちのコミットメント

  • ランスタッドでは、SBTi(科学的根拠に基づく目標イニシアチブ)に、2050年までにネット・ゼロ・フットプリントを達成するとコミットしています。
  • SBTiとは、カーボンディスクロージャープロジェクト(CDP)、国連グローバル コンパクト、世界資源研究所 (WRI)、世界自然保護基金 (WWF) の間のパートナーシップで構成されており、世界初の「企業ネットゼロ基準」を立ち上げた組織です。日本国内でも247社が認定取得し、参加企業数は増え続けています。(22年9月1日時点)(※2)
  • ネット・ゼロとは、実質ゼロという意味で「温室効果ガスの排出を全体としてゼロにすること」を指します。(※3) 地球環境に影響を与える全ての温室効果ガス排出量から森林などの吸収量などを差し引いた合計をゼロにすることを目的に、2015年のパリ協定以降、世界的関心が高まっている事柄です。
  • フットプリントとは、ここではカーボンフットプリント(※4) を指しており、商品やサービスの原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して排出される温室効果ガスの排出量をCO2に換算して表示することを示します。前述のネット・ゼロを目指すために、企業は提供する商品やサービスのライフサイクル全体を見直し、より環境に配慮したものへ変えていく必要があります。
 

昨今、世界中のあらゆる地域で気候変動による緊急事態が発生しています。このことからも、ネット・ゼロ・フットプリントは、全ての組織がサポートすべき最も緊急性のある目標の1つと言えるでしょう。

企業として、SDGsへ貢献するために考えるべき4つのこと

今、国際社会の総力を結集することが求められています。世界は異例的に困難な時代に向かっており、パンデミックや労働力不足がもたらす脅威や危機を克服するためには、全関係者の協力が必要です。人々や雇用主が単独で国連の17のSDGsの達成に与える影響は限定的ですが、我々が協力し、努力を調整することで、その効果は飛躍的に高まります。そのために、次のことを検討してみてください。

・自社・自組織が最も効果的に貢献できるSDGsを特定する。
ネット・ゼロキャンペーンへのコミットメントは可能ですか?有色人種、性的思考の異なる人々、障がい者の登用方法を変えることで、労働市場にさらなる平等をもたらすことも検討してみましょう。


・目標を設定し、それを達成するための計画やプロセスを策定するための戦略を立てる。
達成可能なものに焦点を絞ったら、明確なKPIとそれに沿ったロードマップが必要です。そのためには、リーダーのサポートと社員の賛同が必要です。個人でも、日々の行動がSDGsにどのように貢献できるかを考えてみましょう。  


・成功事例を発信し、周囲に行動を促す。
会社や個人の効果的な取り組みは、周囲の人々の行動を促すきっかけとなります。ブランド、ソーシャルメディア、専門家のネットワークなどを通じて、自社の取り組みや成果を伝える計画を立てましょう。


ステークホルダーとの協働により、取り組みを加速させる。
より良い社会と住みやすい地球を実現するために必要なシステム上の変化を加速させるために、パートナーシップを構築しましょう。



世界の二極化が進む中、全てのステークホルダーが国連のSDGsに結集することがこれまで以上に重要になっています。不平等の是正、経済機会の拡大、気候変動への対応、その他の重要な課題に取り組むことで、国際社会は自国民に恩恵をもたらすと同時に、より親密な関係を築くことができるのです。  



[参考]
※1 ディーセントワーク:人間的な良識ある仕事
※2 出典:環境省ホームページ(https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/
※3 出典:資源エネルギー庁ウェブサイト(https://www.enecho.meti.go.jp/about/pamphlet/energy2020/003/
※4 カーボンフットプリント:Carbon Footprint of Productsの略称で、商品やサービスの原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して排出される温室効果ガスの排出量をCO2に換算して、商品やサービスに分かりやすく表示する仕組みのこと
 
 
 
   [著者]
 
marlou leenders
global head of sustainability

Marlouは国際ビジネスコミュニケーションのバックグラウンドを持ち、2005年からランスタッドに勤務しています。10年以上にわたるサステナビリティの経験を生かし、ランスタッドのグローバル・サステナビリティ・アジェンダの策定を主導しています。
   
※本記事は、 ランスタッド本社配信の記事を再編集の上掲載しています