厚生労働、文部科学両省は、今春卒業した大学生らの就職率(4月1日現在)を発表しました。それによると、大卒は95.8%(前年同期比0.2ポイント減)となり、昨年を少し下回りました。大卒の就職率は20年3月卒の98.0%がピークで、その後はコロナ禍で企業側が採用に慎重になったこともあって2年連続で低下。しかし、来春入社となるこの夏の企業の採用活動は、大企業、中小企業を問わず「アフター・コロナ」を見据えて活発になる見通しです。
就職率の内訳は国公立が96.1%(同0.2ポイント増)、私立が95.6%(同0.5ポイント減)で、短大が97.8%(同1.5ポイント増)、高等専門学校が99.1%(同0.9ポイント減)。大卒の男女別では、男子が94.6%(同0.4ポイント減)、女子が97.1%(同0.1ポイント減)。文理別では文系が95.4%(同0.6ポイント減)、理系が97.4%(同1.5ポイント増)となっています。
地域別では中部の97.0%(同1.3ポイント減)が最高で、関東の96.7%(同0.9ポイント増)、九州の96.0%(同0.9ポイント増)、近畿の95.8%(同0.0%)が続きます。しかし、北海道・東北は93.4%(同3.6ポイント減)、中国・四国も92.2%(同2.3ポイント減)となり、地方企業の雇用状況の厳しさをうかがわせます。
調査は大学、短大など112校の6250人を対象に実施。政府は学生の就職難を避けるため、経済界に今春卒業生から卒業後3年間は新卒扱いするよう要請しています。
文部科学省が発表した今年3月末時点の高校生の就職内定状況によると、卒業者は99万6372人(前年比2.1%減)で、そのうち就職希望者は14万7739人(同8.3%減)。希望者のうち就職できた人は14万4650人(同8.3%減)で就職率は昨年と同じ97.9%でした。
男女別の就職率では男子が98.4%(同0.0%)、女子が97.0%(同0.1ポイント減)。就職率の高い学科は「工業」が99.4%でトップ。以下、「水産」の99.2%、「看護」の98.9%など。地域別では中部と中国・四国が98.8%で最も高く、関東は96.7%、近畿は96.5%でした。
一方、厚生労働省によると、高卒の求人数は約39万人(同0.9%増)、求職者は約13万5000人(同8.0%減)で、内定者数は約13万4000人(同7.9%減)となり、内定率は99.2%(同0.1ポイント増)。中卒の内定率は87.5%(同2.8ポイント増)でした。厚労省の数字はハローワーク経由に限定されているため、文科省より実数は少なくなっています。