働き手のモチベーションの源泉は、今や「昇進」から「自己成長」へと明確にシフトしています。ランスタッドの意識調査「ワークモニター 2026」でも、プロフェッショナルとしての成長や能力開発が、長年にわたり働き手にとって大きなモチベーションとなってきたことが示されています。
ここで危惧すべきは、「成長意欲の高い優秀な人材ほど、自ら外部でコーチングを受けるなど、組織の外で成長の場を求めている」ことも少なくないという点です。一見、自律的な従業員に見えますが、これは組織にとって「離職の予兆」かもしれません。会社がその成長意欲に応えられていない証左であり、エンゲージメント低下や貴重な人材の流出という大きなリスクなどを見逃す可能性もあるでしょう。
そんな中、注目を集めている人事施策が、コーチングを全社員へ導入する「全社的コーチング」です。コーチングとは、対話を通して相手の目標達成などを促す指導方法のこと。
従来の経営層や次世代リーダー候補といった「選抜層限定」という枠組みを超え、全員の目標達成を支援することで、エンゲージメント改善や組織変革を加速させる手法が大きな成果を挙げ始めています。
この「全社的コーチング」の導入にあたり参考にしたいのがランスタッドの「コーチングレポート2025」です。2025年、HRソリューションやキャリア開発を手掛けるランスタッド・ライズスマートと、国際コーチング連盟(ICF)が共同で、先行企業への詳細な調査を実施。事例分析を通じたベストプラクティスに加え、予算策定や社内浸透、効果測定のノウハウまで、導入の壁を突破するための具体的なインサイトをまとめています。
近年、AIなどテクノロジーの進化がコーチングに個別最適化と拡張性をもたらし、導入のハードルを下げています。これにより、かつては選抜層限定だった高度な開発機会を、全従業員へ提供することが可能になりました。この「成長の民主化」こそが、階層的な昇進よりも個人の成長を重視する「スキルベース・アプローチ」への変革を後押しさせる鍵となります。
「全社的コーチング」の目的は、「スキルベースで適応力の高い組織をつくること」です。人材定着やエンゲージメント向上はもちろん、「離職率の低下」や「具体的な行動変容」といった本質的な項目をKPIとして掲げ、ビジネス成果に直結させる企業が増えています。
ICFによれば、広範囲にキャリアコーチングを導入した企業は、目覚ましい成果を報告しており、「全社的コーチング」は変革対応力とビジネス成果を向上させるために不可欠な戦略と見られています。
「コーチングレポート2025」では、「全社的コーチング」のプログラムを通じて強力なビジネスインパクトを創出している企業4社の事例を紹介しています。取り組みの詳細や具体的な成果はレポートをご覧ください。
包括的な社内コーチングを導入し、部下の育成責任がマネージャー1人に集中する状況を解消。秘匿性を100%守りながらコーチングの傾向をデータ化することで、「組織がどこでつまずいているか」をリアルタイムで特定し、経営戦略に反映させています。
トレーニングを受け認定コーチとなった従業員600名以上と、世界中の従業員をシステムでマッチングし、全従業員に対し「回数無制限」のコーチングの提供を可能にしました。大規模組織ならではの「文化の壁」や「品質維持」をどう乗り越えたのか。その運用スキームは、実務担当者必見です。
コーチングプログラムの導入当初は利用率の低さに直面したものの、戦略的な認知向上策によって利用者を2倍に拡大。「従業員自らがキャリアに責任を持つ文化」を醸成し、エンゲージメント改善と離職率低下を同時に実現しました。
自社の文化を熟知した「社内コーチ」によるキャリア特化型プログラムを新設。従業員の多様なキャリア開発ニーズに応えることで、エンゲージメント向上のみならず、組織の硬直化を防ぐ「社内流動性」のアップにもつなげています。
先に触れた通り、プロフェッショナルとしての成長や能力開発は、長年にわたり働き手にとって大きなモチベーションとなってきました。もちろん、コーチングのスキルを持った人材が、ポジションを問わず自社に成長をもたらすことは言うまでもありません。
今この機を逃さず、「全社的コーチング」で組織全体の改善を目指していくべきではないでしょうか。まずは4社の事例を詳しくチェックし、自社へ取り入れるにあたっての参考としてみてください。
レポートからは、ランスタッド ライズスマート事業部の日本人スタッフによる、日本企業にマッチしたオンラインコーチングのデモンストレーションへの申し込みが可能です。「全社的コーチング」のイメージをより具体化するためのステップとして、ぜひお試しください。
目まぐるしく変化していく時代だからこそ、未来を創る人材への投資として「全社的コーチング」は有効です。ぜひデモンストレーションにお申し込みください」
ランスタッド ライズスマート事業部
リージョナル・バイスプレジデント 下瀬川 和宏