ランスタッドは2025年10月3日、鹿児島県指宿市と地域経済の活性化を目的とした包括連携協定を締結いたしました。この協定は、人口減少や労働力不足といった課題に対し、当社の専門性とネットワークを活かして官民一体で取り組むものです。
連携協定における重要な柱の一つが、「児童・生徒向けキャリア教育を通じた雇用創出・人材流出防止」です。実は、当社ではこの協定に先駆け、鹿児島県内で同様の想いを持ってキャリア教育に取り組んでまいりました。
今回はその具体的な一例として、昨年、鹿児島県垂水市立協和小学校で実施したキャリア教育の模様をご紹介します。この記事を通して、私たちが目指す地域に根差した人材育成の姿をお伝えできれば幸いです。
このプロジェクトが実現したのは、「将来を担う子供たちのために鹿児島支店でキャリア教育を実施したい。そして、人材流出に悩むこの地で、未来の働き手を育む種まきをしたい」という社員の熱い想いがきっかけでした。
垂水市立協和小学校の先生方と想いが合致し、実現した今回の授業。最大の特徴は、先生方からのリクエストで加わった「郷土愛を育むコンテンツ」です。どうすれば、子どもたちが地元へ愛着を持ち、将来の選択肢として「地元で働くこと」を考えてもらえるのか。これが私たちの挑戦でした。
メンバーで議論を重ねた結果、「シンプルに『鹿児島ってすごい!』と感じてもらうこと」が郷土愛につながるのではないか、という結論に達しました。鹿児島が誇る日本一の産業や、多くの偉人を輩出している歴史をクイズ形式で楽しく学んでもらうことで、郷土への誇りと愛着が芽生えることを目指しました。
授業が始まると、低学年のお子さんたちの参加もあってか、最初は少し緊張気味。しかし、世の中にある仕事を問いかけると、次々と手が挙がります。「先生!」といったお馴染みの職業から、「漁師!」といった地域ならではの答えまで飛び出し、子どもたちが自身の生活と仕事を結びつけて考えている様子が伝わってきました。
「鹿児島のすごいところクイズ」では、熱気は最高潮に。特に「生産量日本一のもの」という問題では、驚くほどたくさんの正解が挙がりました。子どもたちが普段から自分たちの住む土地をよく見て、知っていることを実感する瞬間でした。
授業の最後に将来の夢を発表してもらうと、「サッカー選手!」「YouTuber!」と、子どもたちは目を輝かせながら語ってくれました。その夢を叶える場所がどこであれ、この日の授業が、働くことを身近に考えるきっかけになることを願っています。
2コマ目のワークショップでは、地元の学生さんによる「大ハンヤ」の演舞を鑑賞。その後、お祭りで配るノベルティグッズの企画会議を体験してもらいました。
白熱した議論の末、2つのグループがそれぞれアイデアを発表。驚いたことに、両チームが選んだ商品は「マフラータオル」、そして応援メッセージは偶然にも同じ「fight(ファイト)」でした。学生さんたちの情熱的な踊りを見て、「演者さんを応援したい!」という純粋な気持ちが、この奇跡を生んだのです。誰かのために何かを創り出す。その仕事の本質を、子どもたちが体感してくれた瞬間でした。
ランスタッドは、「世界で最も公平で専門性を備えた人材サービス会社」を目指しています。未来の世の中を担う人材の専門性を高め、可能性を引き出すことは私たちの使命です。幼少期からのキャリア教育は、その使命を果たすための重要な一歩だと考えています。
今回の指宿市との協定を機に、私たちはこれまで以上に地域に寄り添い、未来を担う子どもたちのキャリア形成をサポートしてまいります。
ランスタッド株式会社 鹿児島支店 支店長 河野 義則
鹿児島支店では、日頃から「人材サービスを通じて、いかに地域社会に貢献できるか」をテーマに議論を重ねてまいりました。今回の記事でご紹介したキャリア教育は、子どもたちが地元鹿児島への愛着と誇りを持ち、将来この地で活躍する未来を描く、その一助になりたいという想いから生まれた活動です。子どもたちの輝く瞳や、ワークショップで見せてくれた真剣な表情は、私たちにとって何よりの喜びであり、活動の原動力となっています。
そしてこの度、私たちの想いをさらに大きな形で実現する一歩として、指宿市様と包括連携協定を締結いたしました。これまで行ってきたキャリア教育のような草の根の活動を、今後は行政と一体となってより力強く推進できることを、大変心強く感じております。子どもたちが「誇れるふるさと」で夢を見つけ、学び、そして働く。そのような持続可能な地域社会の実現に向け、"Partner for talent"として地域に寄り添い、貢献してまいる所存です。
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