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ジェネレーション(若手世代のインクルージョン)を考えるラウンドテーブル&交流会(第四回オランダ企業ラウンドテーブル)

作成者: randstad|Jun 6, 2024 12:00:00 AM

2024年513日(月)、ランスタッドとアムステルダム市が共同保有している帆船「クリッパー・スタッド・アムステルダム号の初来日に伴い、船上にてアムステルダム市主催、在日オランダ王国大使館、ランスタッド株式会社、在日オランダ商工会議所(NCCJ)、エヌエヌ生命保険株式会社共催による、「ジェネレーション(若手世代のインクルージョン)を考えるラウンドテーブル&交流会(第四回オランダ企業ラウンドテーブル))を開催しました。

アムステルダム市副市長ソフィアン・ムバルキ氏による、アムステルダムの経済・労働市場についての取り組みに関するプレゼンテーションの後、在日オランダ企業 、エルゼビア・ジャパン株式会社より千木良紀明さん、株式会社フィリップス・ジャパンより小松史旺さん、ランスタッド株式会社より太田あおばの3名の若手社員が登壇し、エヌエヌ生命保険株式会社 人事部長 打木 彩子さん司会進行によりパネルディスカッションを行いました。
当イベントの参加者は70名強。外資系・日系問わず多くの企業・組織より経営者や人事担当者を中心に、若手からシニア層の方まで様々な方にご参加をいただきました。

 

若手世代の視点から考えるキャリアと働き方

 パネルディスカッションでは、若手世代の3名が彼らの視点から、キャリア、働き方、ワークライフバランスについて意見を交わしました。

働き先を決める際の重要な要素として、スキルの習得やキャリア構築だけでなく、コミュニケーションが取りやすいフラットなカルチャーや組織風土、そして属性やバックグラウンドに関係なく長く働ける環境が挙げられました。

特筆すべきは、シニア世代だけでなく、さらに若い世代(新卒や20代前半)との間にも様々なギャップがあるという指摘です。登壇した3名の世代は仕事の効率性を重視する一方、新卒世代はワークライフバランスをより重要視する傾向があります。また、新卒世代とのコミュニケーションでは、彼らのモチベーションに向き合い、寄り添うスタイルが求められることも分かりました。

さらに、3名が共通して述べたのは、多様な働き方の持続と「カジュアルでこまめな」コミュニケーション、特にオフラインでの交流の重要性です。コロナ禍を経て在宅ワークが一般化した今、オンラインだけでなく対面での会話の重要性が増しています。オフラインの交流によって、仕事以外の話やオンラインでは話しにくい悩みを相談する機会が増え、意見を言いやすい環境が整います。また、若者にとってオフラインのイベントは強制ではなく自主的な参加が重要であるという意見も出されました。

 

アムステルダム市の課題と未来への取り組み

アムステルダム市副市長のソフィアン・ムバルキ氏は、アムステルダム市の経済と労働市場における課題と取り組みについて考察を述べました。少子高齢化に伴い雇用や人材のニーズが高まる中、若手世代や女性の活躍推進など人材の多様性が今後のビジネス課題や社会問題の解決の鍵となり、経済・教育・若者をビジネスの観点からどのように統合するかが重要な課題であるとしています。

その課題を解決するために、アムステルダム市は現在、若手世代のインターンシップ活用に積極的に取り組んでいます。40以上の企業との協業により、インターンの準備を進め、責任のある仕事を任せることで実際の業務を学ぶ機会を提供しています。さらに、しっかりとしたトレーニングや訓練を実施することで失業率の低下を目指しています。このような取り組みにより、賃金格差の解消と社会の繁栄に最も注力しているとのことです。

 

ED&Iでよりポジティブな日本社会を目指す

セッション後、参加者はクリッパー号のデッキに移り、DJが流す音楽を背景にネットワーキングセッションでオープンにアイデアを交換しました。参加者からは「非常に有意義な話を聞けた」「今後、自社の役員を集めて今回のようなディスカッションを是非実施したい」といった声が聞かれました。

職場における多様性はイノベーションを促し、企業の発展と存続にますます重要になります。したがって、多様な人材が属性やバックグラウンドに関わらず活躍できる環境を作ることが鍵となります。今回のイベントでは「ジェネレーション」をテーマに若手世代に焦点を当て、彼らが何を考え、何を求めて仕事をしているのか、その本音を聞く有意義な機会となりました。

社会においてエクイティ、ダイバーシティ、インクルージョン(ED&I)の重要性が注目されつつありますが、これを実践している企業はまだ少数です。今後、より多くの企業が多様性を受け入れ、インクルーシブな環境を整えることで、日本社会はよりポジティブに成長し、明るい未来を築いていけると考えます。

今後もさらに多くの方々にED&Iについて考えて頂けるようなイベントを企画する予定です。