会社が業務上必要で従業員に貸与している物品にはどのようなものがあるでしょうか。また、その管理は適切でしょうか。制服や作業服といった従来からある貸与品に加え、以前はセールス職など限定的に貸与していた携帯電話・スマートフォン、PCなど、リモートワークの広がりにより貸与する対象の従業員が増えた企業も多いと考えられます。ここでは従業員に物品を貸与する際に考えるべきリスクと対応対策について説明します。
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あらためて貸与品にはどのようなものがあるか整理します。
従業員に物品を貸与する場合に考えるべきリスクは大きく分けて3つあります。
破損、紛失ともに自社所有品であれ、リース品であれ金銭的な損失が発生します。特に、顧客情報や企業情報を多く有する情報機器の紛失・盗難による情報漏洩は物品そのものの損失だけでなく、莫大な損害賠償や会社の信用失墜を伴うことがあり注意が必要です。
貸与品の破損、紛失等による損害を従業員の給与から天引きすることは労働基準法第24条賃金全額払いの原則により違法です。また、労働基準法16条により「使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。 」とされています。あくまで禁止されているのは違約金を予め定めることであり、実際に損害が生じた際に会社が従業員に損害賠償請求することを禁止しているわけではありません。
前項の事例においても従業員の故意または重大な過失によるものと考えられる場合、会社として従業員に損害賠償を求めることを検討します。
破損、紛失、情報漏洩を起こさないため、また起きてしまった時のためにとれる対応、対策をします。これらは従業員への注意喚起を促すほか、責任の所在を明確にするためにも必要です。
スマートフォンについては紛失に備えて、予め管理者側で位置検索や遠隔ロックができるような機能をつけておくことも対策のひとつになります。また、破損・紛失がおこった際の報告手順を明確にしておくことも重要です。
当社においては特に重要な情報漏洩対策として、入社時・退職時にいずれも機密保持に関する誓約書を従業員から取得しています。また、正社員のみならず、直接雇用の有期社員、外部から受け入れる派遣社員や業務を外注するフリーランスに対してもリスクを抑える対策が必要です。
ここからはランスタッドが派遣社員に講じている対策をご紹介します。
ランスタッドでは派遣就業開始時に「就業開始時誓約書」を派遣社員から取得しています。その誓約書の内容を嚙み砕いて一部紹介します。
就業上で貸与・交付を受けた物品等は、指示があった場合、または就業終了時に全てを速やかに返却する。
・貸与物を業務遂行目的に限り使用するものとし、他の目的で使用しないこと、および第三者に使用させない
派遣先の業務上で知りえた全ての機密情報等を在籍中のみならず、退職後も含め、第三者には漏洩しない。
・あらかじめ指示された場所で、機密情報等を利用・アクセスその他の取り扱いを行うものとし、当該場所から許可なく機密情報等を持ち出さないこと。
誓約書に違反、または故意もしくは重大な過失により会社に損害を与えた場合は、その損害を賠償する。
なお、貸与品については本人から直接派遣先に返却するのが原則ですが、急遽退職が決まった場合など、派遣先企業様と連携の上、当社が派遣元として回収、返却の対応をおこないます。
工場や倉庫内で就業する当社派遣社員向けにオリジナル作業服のご用意がございます(無償)
オリジナル作業服の一例
派遣先企業様から派遣社員に貸与いただく場合より貸与品そのもののコストが削減できるだけでなく、返却にかかる手間、負担を軽減することができます。
おうち派遣(リモートワーク)向けのPC貸与サポートなどを業務に合わせてご提案しています(有償)
貸与サポートの一例
※「おうち派遣」をご利用いただいているお客様向けの貸与サポートです。
※1年以上契約時の概算金額となります。詳細はお問合せください。
リモートワークでの派遣サービス利用を考えているが、ハードウェアの貸与が難しい場合などにご活用ください。また、クラウド仮想デスクトップや管理アプリケーションなどもご状況、ご要望に応じて導入が可能です。
ご不明な点がございましたら、ランスタッド営業担当もしくは法人様向けお問合せ窓口までお問い合わせください
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[著者プロフィール]
現在はインサイドセールスとしてランスタッドの全サービスをワンストップでご提案することを担当。国家資格キャリアコンサルタント。