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ビジネスの持続可能性にキャリアプランニングとスキルアップが欠かせないのはなぜかー自分のキャリアの停滞を感じ始める時|ランスタッド法人ブログ

作成者: randstad|Jul 26, 2021 3:00:00 PM

自分のキャリアの停滞を感じ始める時

「キャリアが停滞し始めるのは何歳頃からだと思うか」という質問に対して1,052名の回答者の平均値は48歳でした。
(シンガポール居住者を対象に行われた調査)
 
シンガポールでは2030年までに法定定年年齢が65歳に引き上げられますが、48歳はその17年前、この数字は年齢が上に行くに従ってスキルと成長機会が失われていく実態を浮き彫りにしています。
 
18~34歳の回答者に限定して見た場合は、キャリアが停滞し始める年齢は平均で41歳という結果になりました。

 

ランスタッド・シンガポールが依頼を受けて行った「職場における年齢差別」調査は、職場における年齢差別の広がりを調べることを目的とし、年齢差別が国内の各働く世代のキャリアや成長機会に与える影響についても知見を導き出しています。

 

年齢が上に行くほど教育研修・能力開発機会が減少

回答者の57%は年齢が上に行くほど雇用主が提供する教育研修機会が減ると感じ、55歳以上の回答者では、ほぼ3人に2人(64%)がこうした実感を抱いています。

ランスタッド、シンガポール・マレーシア担当のマネージングディレクター、ジャヤ・ダスは次のように話しています。「調査の結果、自分のキャリアの将来を見通せていない実状が明らかになりました。キャリアがピークに達したと感じることによって徐々にやる気を失っていき、こうした意欲や情熱の欠如が労働生産性のマイナス要因になります。従って、継続的にスキルアップするための平等で十分な機会を全従業員に与えることが会社側にとって極めて重要です。雇用主は、キャリアのどの段階にいようとも従業員のキャリア目標やスキルギャップを理解し、そのうえで能力をさらに磨き、深めるための助言や指導を提供する必要があります」

 

若手社員の10人に3人が職場内のベテラン世代とのコミュニケーションを回避

幅広い世代の従業員を職場で一体化させるためのさまざまな取り組みが行われている一方で、残念ながら国内の年齢差別は未だ解消されていません。ベテラン世代に対しては特に顕著です。

若年層回答者(18~34歳)の41%は、ベビーブーム世代(1946~1964年生まれ)とのコミュニケーションが難しいと答えています。31%はその世代とのやり取りを避けるという結果さえ示されています。

「『OK Boomer(オーケー ブーマー)』という流行語は世代間格差の広がりを示すだけでなく、自分とは違う物の見方を認めたがらない姿勢の表れでもあります。違う世代の従業員同士が積極的に交わりを避けるようになれば、必然的に非協力的で働きにくい職場環境が生まれます。年齢差別の影響を抑えるためには、雇用主は差別を防ぐ人事ポリシーを強化し、職場での差別に発展しそうな状況に気付いたら直ちに介入する必要があります。企業には幅広い世代の従業員で構成された、対照的な視点や意見を分かち合うことで学び合うチーム作りが求められます」

年齢差別は仕事の外にも広がっており、ベテラン世代だけが影響を受けているわけではありません。親睦会に23歳未満の同僚を誘うことを検討すると答えた55歳以上のベテラン世代は29%に止まっています。

 

若い世代も年齢差別を経験

調査では職場の年齢差別が若い世代にも及んでいる実態が明らかになりました。18~34歳の回答者の28%が若さが理由でリーダーシップ職に就けなかったと感じているまたはそう言われたことがあると答えています。

「アジア社会では、若手従業員がスキル不足やリーダーシップ力不足というよりも、年齢を理由に管理職候補から外されるケースが珍しくありません。若い世代はイノベーションの限界を押し広げ続けています。新しい課題に取り組むための自発的行動力はもちろん、優れたデジタル能力もあります。一方で、若手従業員に対する見方に前向きな変化も見え始めています。この背景には若きリーダーがトップを務めていることが多いスタートアップや中小企業の活躍が大きく貢献しています」

「すべての企業がこうした人材構造ではありませんが、雇用主にはより包括的な視点からの人材パイプラインマネジメントが求められます。勤続年数で能力を判断するのではなく、学習能力やリーダーとしての資質など、スキルと能力を一層重要視する必要があります。成功に意欲的な従業員は、ビジネスの成長や成功の推進に欠かせないスキルを備えていることが少なくありません」

 

職場での年齢差別調査について

 

データ概要

  • 回答者の57%が年齢が上に行くほど教育研修機会が減っていくことを実感
  • 若年層回答者(18~34歳)の31%が55歳以上のベテラン社員とのやり取りを避けている
  • 職場の平等は、雇用主が多様な人材を確保するうえで必要不可欠であるだけでなく、労働者のキャリアの持続可能性の点でも重要

 

Q1 以下のうち、あなたがコミュニケーションが難しいと感じている年齢層はありますか?当てはまるものをすべて選択してください。[%]

  22歳以下 23~38歳 39歳~54歳 55歳以上 該当なし
全回答者 16 7 6 24 59
男性 17 8 7 24 56
女性 16 6 6 24 62
18~34歳 18 10 14 41 41
35歳~54歳 16 5 5 23 62
55歳以上 15 7 2 10 71

 

Q2 以下のうち、あなたがコミュニケーションを避けている年齢層はありますか?当てはまるものをすべて選択してください。[%]

  22歳以下 23~38歳 39歳~54歳 55歳以上 該当なし
全回答者 11 5 6 17 70
男性 10 5 7 17 69
女性 11 4 5 18 72
18~34歳 13 6 12 31 56
35歳~54歳 8 4 6 13 75
55歳以上 11 3 2 10 77

 

Q3 以下のうち、コミュニケーションが難しいためにあなたがコミュニケーションを避けている年齢層はありますか?当てはまるものをすべて選択してください。[%]

  22歳以下 23~38歳 39歳~54歳 55歳以上 該当なし
全回答者 8 3 4 14 77
男性 8 4 4 14 76
女性 8 3 3 14 78
18~34歳 10 4 7 26 65
35歳~54歳 7 3 3 12 80
55歳以上 8 3 1 6 84

 

Q4 ある職場の一員だと想定してください。職場で親睦会が計画されています。誰を誘うかあなたに選択権があるとすると、どの年齢層の仲間を誘いますか?当てはまるものをすべて選択してください。[%]

  22歳以下 23~38歳 39歳~54歳 55歳以上
全回答者 30 64 69 42
男性 30 60 70 40
女性 30 68 68 43
18~34歳 29 87 45 22
35歳~54歳 32 60 81 37
55歳以上 28 49 76 65

 

Q5 ある職場の一員だと想定してください。あなたは職場仲間を集めた非公式の親睦会を計画しています。誰を誘うかあなたに選択権があるとすると、どの年齢層の仲間を誘いますか?当てはまるものをすべて選択してください。 [%]

  22歳以下 23~38歳 39歳~54歳 55歳以上
全回答者 31 64 67 40
男性 32 63 68 39
女性 29 66 66 41
18~34歳 30 87 40 19
35歳~54歳 33 60 77 36
55歳以上 29 49 79 64

 

Q6 現在または将来の自分のキャリアが停滞し始めるのは何歳頃からだと思いますか?キャリアの停滞とは仕事上の成長や達成を感じられなくなることを意味します。 [%]

  30歳以下 31~40歳 41歳~50歳 51~60 61歳以上 平均年齢
全回答者 8 18 23 14 26 48
男性 8 16 24 16 25 50
女性 9 21 21 11 28 47
18~34歳 21 27 23 7 18 41
35歳~54歳 4 23 29 14 22 48
55歳以上 2 6 16 20 39 55

 

Q7 次のうち、過去に職場で経験したことがある出来事はありますか?当てはまるものをすべて選択してください。[%]

  若さを理由にリーダーシップ職になれなかったと感じたことがある/そう言われたことがある 年齢の高さを理由にリーダーシップ職になれなかったと感じたことがある/そう言われたことがある 若さを理由に親睦会に呼ばれなかったと感じたことがある/そう言われたことがある 年齢の高さを理由に親睦会に呼ばれなかったと感じたことがある/そう言われたことがある 若さを理由に自分が選ばれたと感じたことがある 年齢の高さを理由に自分が選ばれたと感じたことがある
全回答者 15 11 9 12 17 55
男性 16 12 12 16 18 50
女性 14 10 7 9 16 59
18~34歳 28 5 18 8 3 47
35歳~54歳 16 12 8 15 19 56
55歳以上 4 16 2 14 26 61



Q8 年齢が上に行くほど職場での教育研修やスキルアップの機会が少なくなると感じている。[%]

  そう思う
(とてもそう思う + ややそう思う)
そう思わない
(まったくそう思わない + あまりそう思わない)
当てはまらない
全回答者 57 40 3
男性 58 40 2
女性 57 40 3
18~34歳 47 47 6
35歳~54歳 60 40 -
55歳以上 64 34 2

 

Q9 自分の職場では年齢にかかわりなく、すべての従業員が尊重されている。[%]

  そう思う
(とてもそう思う + ややそう思う)
そう思わない
(まったくそう思わない + あまりそう思わない)
当てはまらない
全回答者 63 34 3
男性 63 35 2
女性 64 33 3
18~34歳 66 28 6
35歳~54歳 64 36 -
55歳以上 60 37 3

 

Q10 年齢を理由に同僚よりも不当な扱いを受けていると感じている。[%]

  そう思う
(とてもそう思う + ややそう思う)
そう思わない
(まったくそう思わない + あまりそう思わない)
当てはまらない
全回答者 41 56 3
男性 43 54 3
女性 39 58 3
18~34歳 34 61 5
35歳~54歳 42 57 -
55歳以上 47 50 3

 

職場での年齢差別調査について

・YouGov Singapore PTEが独立的に実施したオンライン調査
・国内に居住する1,052人が回答
・2019年12月5日~6日に実地調査を実施
・数字は重み付けを行い、シンガポールの全成人(18歳以上)母集団を反映
・若年世代の定義は18~34歳
・ベテラン世代の定義は55歳以上