法人向けHRブログ workforce Biz

有期雇用者(期間従業員・期間社員)の受入時にしてしまいがちな5つの誤り|ランスタッド法人ブログWorkforceBiz

作成者: randstad|Apr 12, 2020 8:53:00 AM

「この人こそ!」と思って採用したのに、あっさりと辞めてしまった・・・少なからず経験があるのではないでしょうか?このような人材の早期流出は、ある5つの要因から起こっていたのです。

従業員への効果的なオンボーディング(新規に採用した従業員の受入れから定着*1 までの取組み)の重要性については誰もが認めるところです。すでに多くの企業はそのことを十分理解しており、オンボーディングを実施する企業の半数以上(54%)*2 で従業員エンゲージメントが高い傾向にあるという調査結果が出ています。また、以下のデータも明らかになりました。

●効果的なオンボーディングを経験した従業員の69% *3 が、3年後もその会社に在籍しています。

●標準的なオンボーディング制度のある企業では、新規に採用した従業員の生産性が50% *3 高くなっています。

 

 

これらの数字は、新規に採用された従業員が、その会社で最良のスタートを切るために、オンボーディングがいかに大切であるかを明確に示しています。

また、フレックスタイム制や在宅勤務といった柔軟な勤務形態やギグ・エコノミー *4といった、新しい働き方の概念が雇用主にとって今まで以上に大きな意味を持つようになった現在の労働環境では、有期雇用者(期間従業員・期間社員)への効果的なオンボーディングが、正規雇用者と同様に重要となります。

フレキシブルな労働力が果たす役割にますます多くを期待する企業は、オンボーディング時によく見受けられる、以下の点に留意することが重要になってきます。

 

1. 有期雇用者(期間従業員・期間社員)に“歓迎されていない”と感じさせてしまう

有期雇用者(期間従業員・期間社員)に対し、自分は部外者として雇われたのであり、決められた業務を目立たずさっさと済ませることだけを望まれているのだと感じさせてはなりません。上司、同僚など一緒に働く人たち全員が、その会社に温かく迎え入れることが必要です。

新規の入社者はあたたかく迎えられると職場を居心地が良いと感じ、会社のためにベストを尽くしたいと考えるため、効率性や生産性の上昇につながります。

また、雇用期間の終了後も機会があればその会社で再び働きたいという気持ちは、長い目で見たときに、お互いにとって価値のある関係が築かれる基盤となります。

 

2. 情報提供が不十分である

採用された従業員が正規雇用であれ有期雇用であれ、会社の組織に溶け込んでもらう最も良い方法は、担当する業務や会社とその事業内容について十分な情報を提供することです。

これは新規採用者が職場に慣れるだけでなく、会社の文化 *5 や目標、エンプロイヤーブランド*6全般について把握するためにも有益です。

会社についての導入研修が十分でなかった場合、有期雇用者(期間従業員・期間社員)の仕事に対する熱意が損なわれる可能性が高まり、不注意によるミスを招きかねません。

 

3. 有期雇用者(期間従業員・期間社員)と正規雇用者への接し方が違う

長期・短期に関わらず、有期雇用(期間従業員・期間社員)で採用された従業員が、第1日目から自身をチームの一員と感じられるように接しましょう。職場で部外者扱いされたい人はいないはずです。したがって、相手が短期の契約であってもそうでなくても、同じ職場の一人ひとりに等しく敬意をもって接するよう、会社としてのポリシーを定めて全従業員に呼びかけることが、望ましい職場慣行といえるでしょう。

有期雇用者(期間従業員・期間社員)が、出勤後すぐにチームの一員として受け入れられたと感じられれば、その人の生産性は上がり、必要なときに気がねなく質問したり助けを求めたりできるようになります。

 

 

4. 丁寧なサポートを怠る

他のすべての新規採用の従業員と同様、有期雇用者(期間従業員・期間社員)もまた、職務を適正に遂行するために必要な、あらゆる資材やサポートを得る手段を与えられるべきです。

有期雇用者(期間従業員・期間社員)を採用する雇用主が最も陥りやすい失敗の一つは、その人がすぐに仕事を開始し、期待どおりの成果を上げるだろうと期待して、丁寧に指導しなかったり重要な情報を与えるのを怠ったりすることです。

たとえばベテランのフリーランスのIT技術者の場合は、与えられた業務に必要なすべての優れたスキルを備えているかもしれません。それでも仕事を始めるにあたっては、その会社のソフトウェアやシステムについての詳しい説明を必要とすることがあるのです。

 

5. 無理な期待をする

フレキシブルな労働力に投資する企業が、その投資に対して最大の効果を上げたいと考えるのはもっともですが、フリーランスや有期雇用の労働者が契約期間中に上げる成果についての過度な期待は禁物です。

従業員に無理な目標を設定すると、最初からストレスを感じてしまって楽しく働けなくなり、それが仕事の質にも影響しやすくなります。目標を達成しようとして残業したとしても、疲れすぎてミスが発生したり、燃え尽き症候群になってしまうリスクがあるため、結果も変わらない可能性があります。

 

最新の人事および労働力の動向を踏まえると、フリーランスや派遣社員といったフレキシブルな働き方の労働者は、今後、会社のスキルの担い手 *7としてますます欠かせない人材となるでしょう。有期雇用の従業員への適切なオンボーディングを進んで実践し、そのための資金を投じることは、これらの人材から最大の恩恵を得られるようにするための有効な手段です。

 
 
 
*1 有期雇用者(製造業)の定着に関する記事はこちら
製造業で有期雇用者に定着してもらうための4つのルール
 
*2   Top 6 Employee Onboarding Statistics  (外部英語サイトへリンクします)
 
*3   Don't Underestimate the Importance of Good Onboarding (外部英語サイトへリンクします)
 
*4 what does the rise of the gig economy mean for HR managers? (Randstadのグローバルサイトへリンクします)
 
*5 how to boost your talent acquisition plan by showing off company culture. (Randstadのグローバルサイトへリンクします)
 
*6   employer branding center.   (Randstadのグローバルサイトへリンクします)
 
*7 the technology genie is out of the bottle, are you prepared for upskilling? (Randstadのグローバルサイトへリンクします)
 
 
 
<出典>
本コラムは、ランスタッドのオリジナルコラム
「5 mistakes companies make when onboarding contingent workers」に加筆・修正した内容となります。