コロナ禍で、従業員の心と体の健康状態の把握は重大な関心事になっています。
健康が脅かされてあらためて、経済活動ができない恐ろしさを感じた方も多いのではないでしょうか?
今回は、組織開発が専門のランスタッドEAP総研より、組織力を高め、会社の業績向上するための初動作として知っておきたい健康状態把握の考え方をお伝えします。
組織力のジャンプアップで業績向上に結びつく健康状態の把握、ステップ5
ステップ1. キーワードを知る
健康経営について、キーワードである”健康経営”とは、2019年4月働き方改革の施行に紐付いて奨励された考え方があることを知りましょう。
経営管理と健康管理を統合させ個人の健康増進を、企業の業績向上につなげることを意味します。
1980年代の米国の心理学者である、ローゼン博士のヘルシーカンパニーという健康こそが収益性の高い社会を作るとの理論を、日本で発展させた考え方です。
ステップ2. 健康経営を推進するリーダーと各部門が、再認識すべきことを知る
心身の健康作りは経営課題であると戦略的にリーダーが認識します。
心身の健康増進費用はコストではなく将来への投資です。
不健康であると体調不良によるモチベーション低下やミスなどをひきおこし、あらゆる生産性がおちる、遅刻や欠勤者が増え、元気な人へのしわ寄せがくる、すると疲弊、病気、退職のリスクがあり、若手が定着せず、採用コストもかかる悪循環になります。
ステップ3. リーダーのマインドセット
健康経営 “ を ” するのではなく、健康経営 “で ”、どのような組織の状態にしたいかを考えることが急務です。
「を」は、健康経営することが目的になります。
「で」は、健康経営が手段となります。
目的と手段を間違えると、健康経営をすることで、会社は何を目指しているかわからなくなり、形だけの単なる健康状態の把握になってしまい、組織の成長はありません。
ステップ4. プライバシーについての考え方を整理する
健康管理に関しては、労働安全衛生法の安全配慮義務が、会社としての責務であります。知り得た情報は、本人に不利益を被らせないで、本人のために会社が動くということです。
個人情報保護法の壁と直面しますですが、本人と対話を通じ、話し合い、納得していただいた上で本人と周囲への介入を実施して下さい。
ステップ5. 新型コロナウイルス健康対策で忘れてはいけないこと
新型コロナウイルスは元々、気管支や、循環器、ガンなどの疾患を持っている方がとくに危険です。
健康診断で、二次検査必要者をリストアップして、本人に、健康管理担当者から不安を仰ぐのではなく、あなたのために、会社も一緒に心配しているというメッセージを送ることをお勧めします。
新型コロナウイルスに感染してしまった方や周囲への対応
隔離期間のみを伝達することは、避けて下さい。まず、感染してしまったショックの対応からスタートです。誰にでも感染してしまうリスクはある、たまたまかかってしまったので、自分を責めないでほしい、と伝えてください。
周囲へも同様に、かかった方の氏名伝達や、周囲の消毒封鎖期間を伝えるのみだけでなく、病気で仕事できなくなった人の代替フォロー体制や、仕事自体のフローの再構築など、周囲が、業務に混乱しないための現場での話し合いを必ずするよう、管理者に指示を徹底させてください。管理者がコロナにかかった時の応援体制の構築のスピードも大切です。どのように、視点を未来に向けて、人、組織、お客様を守るか、現場とともに知恵を出し合い対話で進めていくことが急務です。
人は全てのビジネス行動の原動力となります。健康を守り抜く組織の姿勢が、従業員一人一人の意識を高めて、組織力を強めていくのです。
次回は、コロナ禍で、変化に適応し、創造力を作り出す組織の作り方をお伝えします。
川西由美子
【筆者プロフィール】
川西由美子