上司として部下の力を最大限に発揮させるには、部下を褒めること、そして褒め方が非常に重要です。褒めること、フィードバックをすることで部下のやる気を引き出し、仕事に対する責任・プライド・熱意などが高まるきっかけにもなります。
この記事では部下を褒めることの重要性や効果的な褒め方、さらには上司が部下とともに行う「1on1 ミーティング」の大切さについても紹介していきます。
そもそも日本人上司は、褒めることに対して苦手意識を持っていることも少なくありません。たとえば「どうやって褒めたらいいか方法がわからない」「なんとなく照れてしまう」「厳しくすることを美徳としている」という上司も存在します。
結果として、日本人上司は普段から積極的に部下を褒めようとはせず、どんどん褒めることが苦手になってしまうのです。
部下を褒めることにより、さまざまな化学変化が起こり得ます。褒めるということは、相手の行動をよく見ているということ。上司・部下とのコミュニケーションがスムーズになり、双方に信頼関係が芽生えます。
上司と部下の関係が良好になれば理想的な人材育成が進み、企業内の重要パーソンを育てることにもつながるでしょう。
褒めることは大切ですが、単純に褒めるだけでは、相手の能力を伸ばすことができません。部下の心に刺さる要所を押さえた「褒め方」「フィードバックの仕方」ができれば、仕事に対するモチベーションも大きく飛躍するでしょう。結果、これまで以上のチーム実績を上げる可能性が高まります。
褒め方のコツを押さえることが、最終的には企業発展へとつながるはずです。
部下を褒める際、これまで本人ができなかったことのなかで「できるようになった部分・成長した部分」について具体的に提示し、その努力を褒めましょう。
他人のスキルや実績と比較するのではなく、過去の本人と比較することがポイント。些細な努力でも、上司に見てもらえている・認められていると感じることが、部下のやる気や能力を引き出すきっかけにつながります。
最終的な成功・業績アップなど「結果」だけを見て褒める上司も少なくありません。大切なのは、成功に至るまでのプロセスにおいて良かった点や本人が努力した点、強みなどに焦点を当てて褒めること。
良かったポイントを本人が客観的に理解できることで、必要な改善点を見極めるとともにさらなる能力アップにつながる可能性もあります。
部下以外のスタッフも平等に評価される公正さのもと、企業内の公の場所で褒めてみましょう。周囲のスタッフに部下の強みをアピールでき、評価される場面をつくることができます。
大げさに褒める必要はありませんが、部下が自分に自信をなくしているとき、逆に大きな成果を上げたときなどは効果的。部下自身にとって、スキル・業務に自信を持つきっかけにつながるでしょう。
1on1 ミーティングとは、部下と上司による定期的な1対1での面談です。部下が仕事に対して定期的にリフレクション(内省)し、段階を踏んで成果を上げ、経験学習ができることにもつながります。
ビジネスシーンにおいて、褒める方法やシーンは多々考えられます。そのなかでも1on1は、効果的に褒めることができる場面のひとつです。
1on1 ミーティングでは、週1~月1回程度で1対1の面談を行います。そのタイミングごとに起こった問題点、成果などの情報を共有できるのがポイントです。上司・部下との綿密なコミュニケーションが実現し、やる気や潜在的な能力などを引き出す効果があります。
社内での人材の育成が効率よく進むとともに、部下自身がビジネスパーソンとして大きく飛躍するきっかけ作りにもなるでしょう。
1on1において、上司はあくまでも部下に軽く尋ねるといった「アクティブリスニング」に努めることがポイントです。たとえば、最近困ったことや仕事でうまくいったこと、社内で気になること、そして次に取り組みたいことなど部下の中長期キャリアなどを話し合います。
話を途中で遮ったり、自分の話に持っていったりすることは避け、部下自身がしっかり話せる状況を作りましょう。
部下を褒める際に大切なのはタイミング。内容が新鮮なうちに、相手の心に印象深く残るよう褒めてみてください。1on1はベストタイミングといえます。
熱が冷めないうちに部下を褒めること
部下のモチベーションを高めて能力を発揮できる環境をつくるには、「タイミングやポイントを押さえて褒めること」が上司としての重要任務。部下の気持ちが冷めないうちに褒めることで、仕事に対する熱意ややる気もアップするはずです。
なかでも1on1 ミーティングで褒めることは、よりタイムリーで効果的な場面のひとつ。1on1 ミーティングも有効に活用しながら、部下を褒めるきっかけ作りにしてみましょう。