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業務改革はまず採用プロセスから取り掛かるべき理由とは

作成者: randstad|Nov 12, 2021 3:00:00 PM

ビジネスにおいて採用ミスほど大きな痛手はそうはありません。ビジネスの成功にヒューマンイノベーションが欠かせないと言われるこの時代、その代償は日に日に膨らみ、企業業績のすべての側面に影響が及びます。だからこそ、新型コロナウイルスの世界的感染拡大で失業率が上昇したにもかかわらず、適材の確保を求めるHRチームへの圧力は増す一方です。

米国人材マネジメント協会(SHRM)(※1)の試算によると、従業員一人の募集・採用コストは4,129ドル(3,492ユーロ)にも及びます。正しい採用であれば初期投資に対して十分なリターンが期待できますが、誤った採用はさらなる損失を招きます。そのうえ、Forbes(※2)が報じたところによれば、採用をやり直すには従業員の年間平均給与の21%ものコストがかかり、問題の決着をつけるにしても費用がかさみます。

一方、よく研究された厳格な採用プロセス(※3)があれば、組織の力が高まり、財務的なメリットも得られます。HRチームには他部門のスタッフがコストの最適化、結果の分析、継続的最適化プロセスといった重要業務を行う時と同じ水準の厳格さが必要です。

この記事では組織にとっての正しい採用プロセス、つまり採用ミスを極力回避できるプロセスとはどういうものか、判断の仕方を解説します。記事と併せて、成功するジョブディスクリプションと求人広告の書き方無料ガイドブック(英語ページ)もご覧ください。募集ポジションに適した求職者と最初から出会うことができます。読み終えた後は、誤った採用を極力抑え、正しい採用を極力増やすためのアクションプランがクリアになっているはずです。

 

 

採用ミスはいかにして起きるのか

優秀な人材の獲得が組織に価値をもたらし、優秀でない人材の獲得が組織から価値を奪うことはよく知られています。であるならば、多くの企業に断片的あるいは場当たり的な採用アプローチが横行しているのはなぜでしょうか。

その主な原因はHRチームと採用マネージャーとの連携不足です。この点について、誤った採用プロセスを助長し、結果として誤った採用判断に至しめる重要な要因を4つ突き止めました。

 

  • 採用マネージャーが採用ミスのコストを認識していない。
    HRチームは採用マネージャーに採用活動を任せてしまうと、不十分な採用プロセスが組織に与える複合的影響に気付くこともそれを知らせることもありません。その結果として、採用マネージャーが選考プロセスに対してそれほど厳格な意識を持っていないこともあります。
  • 採用マネージャーが「良い採用」の見分け方を知らない。
    自分のチームの新しい仲間を見つけるのだから採用マネージャーが一番の適任者というのは誤解です。Hunt Scanlon(※4)の記事には、「面接訓練の欠落は優秀な企業の戦略的プランにおけるこの数十年の災いのもとであるが、それでもずっと無視され続けている」とあります。
  • 採用マネージャーは早く欠員を埋めようと気持ちが焦る。
    企業は必要な時に新規採用を行いますので、早くやり終えようと必ず内的プレッシャーが生じます。例えば既存スタッフに無理をさせている時、あるいは誰かが突然退職し、重要なポジションが欠員のままになっている時などです。採用マネージャーが拙速に採用判断を進めようとすることによって、候補者の欠点を受け流したり、警告信号を見逃したりすることもあるかもしれません。

  •  HRチームが採用マネージャーに個人業績測定項目の重要性をきちんと伝えていない。
    これを理解していない採用マネージャーは新規採用者にどのような資質を求めるべきかわかりません。測定項目が曖昧だったり、重要な測定項目をきちんと伝えていなかったり、明確な測定項目に基づく標準化された面接プロセスが定められていないこともあります。

どのシナリオの場合も採用マネージャーが採用を誤ることになりますが、HRチームが採用プロセスをすべて取り仕切ったからといって、これらのポイントを採用マネージャーときちんと共有できていなければ結果は似たようなものです。HRチームには採用マネージャーと新しく仲間に加わる新規採用者を成功へと導く責任があります。採用マネージャーと「タッグを組む」ことがぜひとも必要です。特に面接プロセスでは面接スキルとその分野の専門知識が成功を左右します。次は両者でこの目標を達成するための方法を考えます。

 

 

毎回、確実な採用を行うために

パフォーマンスの低い人材は雇用しても生産性を低下させ、士気をそぎ、悪くすれば顧客や優秀な従業員を失う原因になります。ですがそもそも時間や資源の無駄遣いが採用ミスを招くのであり、正しい採用だけが成し遂げられる時間と資源を見直す必要があります。例えば、

  • 社内リソースやブランディング資料を用意する
  • ジョブディスクリプションを作成し、求人広告その他の募集情報を掲載する
  • 候補者の選考、面接を行う

 

人材サービス業界の世界的リーダーであり、人間味のある信頼されるパートナーであるランスタッドは人と組織を支え、人材の真の潜在能力を引き出すお手伝いをします。私たちは企業とそこで働く従業員が長期的に成功するには、採用プロセスの最初の努力の成功が鍵であることを知っています。そこで、採用マネージャーが毎回確実に適材に声を届け、適材を見つけ、選り抜くための4つの方法を割り出しました。

 

  1. ジョブディスクリプションと求人広告を効果的に見直す。

    ジョブディスクリプションと求人広告は求職者にとっての入り口です。ですからこちらに有利に働くような工夫が大切です。これが一握りの優秀な人材から選ぶか、一握りのそうではない人材から選ぶかの差になります。始めるにあたって、チームと組織のニーズを総合的に考えてください。ランスタッドが作成した成功するジョブディスクリプションの書き方ガイドブック(英語ページ)をご覧ください。より詳しくご説明しています。

  2. 組織とその文化を正確にかつ効果的にブランディングする。

    マネージャーが成績不振者にイライラを募らせるように、新規採用者も企業文化が謳われていたものと違った場合、パフォーマンスが低下します。事実、Forbes(※5)によると雇用者の92%が全体的企業文化と部署内のチームワークを同じように重要と考えています。従い、ジョブディスクリプションを読んだ求職者がそこで働くことを検討するにあたってきちんと企業文化を理解できるよう工夫してください。そのうえで、企業文化の重要部分は面接の段階で伝えます。早い段階からそのポジションに何を求めているのか現実的な期待値をはっきりさせておくと、合致度の高くない求職者が紛れ込むのを防げます。Modern Hire (※6) などのツールを活用すると、マネージャーが面接の質問と回答を事前に録画し、適した候補者をイメージできるため、何を期待値にすべきか判断しやすくなります。

  1. その仕事の重要側面に対処できるよう面接プロセスを形式化する。

    かなり多くの企業が面接プロセスを標準化しておらず、そのためにマネージャーは求職者の行動や状況に応じた対応力、技術スキルの詳細を含め、重要な情報を伝えることも聞き出すこともできていません。しかも、同一基準に基づかず行われた複数の面接結果を採用マネージャーが正確に比較することは不可能です。2019年にマッキンゼー(※7)は求職者の情報収集のために体系的に標準化した評価を行う必要性を提言し、「評価と個人業績またはその職務にとって重要な特徴とを関連付ける直接的科学がないのであれば、それを使うべきでない」と説明しています。

  2. 優秀な人材に共通した資質を見つける。

    採用マネージャーは、単に適した経験とスキルセットを持つ人材を見つけるだけでなく、ポジションにかかわりなくすべての新規採用者が備えているべき特徴を知っておかなければなりません。例えば、持って生まれた才能や学習意欲、共感力、自分の意思決定能力に対する自信など。同様に、採用マネージャーは持っていてほしくない資質とその理由も把握しておく必要があります。事前に具体的に挙げ、定義してください。

 

 

今後の採用活動の成功は手の届く距離に

採用プロセスの改善は単なる名案ではなく、売上アップなど実際にビジネス価値を高めます。2018年にあるファストフードチェーンがターゲットを絞り、効率化を図るために一連の採用プロセスを正式に刷新(※8)した結果、店舗全体でサービスのスピードが30%アップ、売上が5%アップしました。

ですがすべての成功する採用活動の始まりは、条件に合致する求職者だけに玄関から入ってきてもらうこと。つまり出発点はジョブディスクリプションと求人広告です。採用活動を次の段階へと進めるためにぜひ今すぐ、無料ガイドブックをダウンロード(英語ページ)してください。まずは成功するジョブディスクリプションと求人広告の作成から取り掛かりましょう。

 

※本記事は下記の記事を日本語訳したものになります。
https://www.randstad.com/workforce-insights/talent-management/why-transforming-your-business-starts-with-hiring-process/
 
 
[参考]

※1 https://www.shrm.org/about-shrm/press-room/press-releases/pages/human-capital-benchmarking-report.aspx
※2 https://www.forbes.com/sites/forbescoachescouncil/2017/11/03/the-real-cost-of-bad-hires-isnt-what-you-think/#23c5bcc92b83
※3 https://www.randstad.com/workforce-insights/recruitment-process/
※4 https://huntscanlon.com/why-mastering-interview-skills-matters-more-now-than-ever/
※5 https://www.forbes.com/sites/forbescoachescouncil/2017/11/03/the-real-cost-of-bad-hires-isnt-what-you-think/#23c5bcc92b83
※6 https://modernhire.com/
※7 https://www.mckinsey.com/business-functions/organization/our-insights/the-organization-blog/the-4-biggest-assessment-myths-undermining-your-hiring-process
※8 https://www.mckinsey.com/business-functions/organization/our-insights/the-organization-blog/3-reasons-why-organizations-make-bad-hiring-decisions