法人向けHRブログ workforce Biz

物流人材の獲得【ランスタッド法人ブログWorkforceBiz】|ランスタッド法人ブログ

作成者: randstad|May 19, 2025 2:00:00 AM

 

物流・サプライチェーン分野の拡大にともない、現場では迅速な人材補充がこれまで以上に求められています。その対応策として、一部の企業ではワークプレイスオートメーション(業務自動化技術)の導入を進めています。このアプローチは労働力全体の需要を抑える一方で、高度なシステムを運用・管理できるスキルを持った物流人材へのニーズを高める結果にもつながっています。

優秀な人材を惹きつけるための戦略とは?是非資料をチェックしてください!

 

とはいえ、スキルのある人材の世界的な不足は、物流業界にとって大きな課題となっています。競争の激しい、そして不確実性の高い市場環境のなかで、優秀な人材を採用・定着させるには、戦略的な取り組みと適切なリソースの活用が不可欠です。

 

本記事では、物流業界における人材確保のヒントとして、以下のポイントに焦点を当てて解説していきます。

人材獲得のカギは「競争力ある給与設計」にあり

物流業界でスキルを持つ人材の採用が思うように進まない場合、まず見直したいのが現在の給与・報酬体系です。

最近の調査によると、物流・サプライチェーン業界で働く人の67%が、2023年には前年よりも給与が増えたと回答しており、多くの企業が人材確保のために報酬水準を引き上げている実態が明らかになっています。それだけ競争は激しくなっているのです。

一方で、多くの企業がコスト削減を求められている今、給与アップは簡単な判断ではありません。ですが、市場データに基づいて適正な給与レンジを把握し、戦略的に設計することで、結果的に全体コストを抑えることも可能です。たとえば、高い離職率や欠勤の減少、残業の削減といった形で人件費の最適化につながります。


「給与水準が見合っていなければ、優秀な人材は迷わず他社を選びます」ー物流業界の採用市場を知る専門家の言葉

現代の求職者は、これまでになく情報に敏感です。候補者は企業の評判を調べ、口コミを読み、給与水準を比較したうえで応募を決めています。競争力のある報酬体系を整えていなければ、優秀な人材を逃すだけでなく、既存の社員の流出リスクにもつながりかねません。

ワークライフバランスが採用力を左右する

最新の調査によると、物流オペレーターの76%が人手不足に直面しており、特に運輸業界の深刻度が高いことが明らかになっています。こうした状況下では、求職者にとって「働きやすい職場かどうか」が企業選びの大きな判断軸となっており、なかでもワークライフバランスの確保は重要な差別化要素になりつつあります。

一方で、「ジャストインタイム」型の納品体制への対応や、競争の激化などにより、物流業界では柔軟な働き方の実現が難しいという現実もあります。それでも、仕事・プライベート・日常生活のバランスを重視する人材が増えているという調査結果からも、企業として真剣に向き合うべき課題であることは間違いありません。

たとえば、一部リモートやハイブリッド勤務の導入は、業務と私生活を両立しやすくする選択肢として有効です。倉庫業務や輸送業務など、現場対応が必要な職種では導入が難しい場面もあるかもしれませんが、柔軟なシフト制度や、有給休暇の充実など、個人の事情に配慮できる制度設計は取り組みやすいポイントです。

 

優秀な人材を惹きつけるための戦略とは?是非資料をチェックしてください!

 

柔軟なシフト制度が求職者の関心を集める

物流業界で働く人材にとって、「柔軟な働き方」はもはや“あったら嬉しい”福利厚生ではなく、「ぜひ実現してほしい条件」の一つとなっています。柔軟なシフト制度や短時間勤務、シフトの入れ替えなど、形はさまざまですが、多くの現場スタッフが「いつ・どこで・誰と働くかを、ある程度自分で選びたい」というニーズを抱えているのが実情です。

特に、物流ドライバーやオペレーターの労働時間に関する議論が活発化している現在、フレックスタイムや圧縮勤務(1日の労働時間を長くする代わりに週の勤務日数を減らす)など、従業員のライフスタイルに配慮した働き方を検討する企業が増えつつあります。

また、従業員同士でシフトを調整できる「シフトスワップ」も、柔軟性を高め、チームのモチベーション向上にもつながる実用的な手段のひとつです。現在では、現場管理者の負担を軽減しながら、スタッフが自分のスケジュールを調整できるツールも複数登場しています。

このように、「働く時間」や「働き方」に柔軟性を持たせることは、ワークライフバランスの改善だけでなく、採用力・定着率の向上にも直結する重要な取り組みといえるでしょう。

 

スキルギャップへの対応は「人材育成」から

物流業界におけるスキルギャップの拡大を受け、多くの企業が「社内で人材を育てる」方向へシフトし始めています。市場に即戦力となる人材が不足している今、人材育成こそが競争力の源泉となる時代です。

実際に、ワークモニター 2025の調査では、求職者の44%が「スキルを伸ばせる環境がなければ入社しない」と回答しており、これは物流業界に限らず、多くの業界と人材を奪い合う中で見逃せないデータです。

こうした背景からも、継続的な学びを取り入れたキャリア開発プログラムの導入は、人材獲得競争を勝ち抜くための有効な手段と言えるでしょう。社内研修やOJTにとどまらず、将来の業務や役割に直結するスキルを学べる仕組みが、求職者にとっても、今いる従業員にとっても魅力になります。

さらに、体系的なキャリア支援は、離職率の低下にもつながるという点でもメリットは大きく、スキルギャップの解消と従業員定着という二つの課題に同時にアプローチできる施策です。 

付加価値となる福利厚生で“選ばれる企業”に

物流業界で優秀な人材を惹きつけ定着させるためには、競争力のある給与や働きやすさ、キャリア成長の機会などの基本的な条件が欠かせません。しかし、それだけでは十分ではありません。

 

昨今の社会情勢の変化を背景に、働く人々は「企業に求める価値」を見直し始めています。雇用主には、こうした意識の変化に寄り添い、“今、本当に求められている福利厚生”を提供する柔軟さが求められています。

 

たとえば、以下のような制度やサポートが、物流業界でも注目を集めています:

  • 健康保険・医療支援
  • メンタルヘルスやウェルネスプログラム
  • 利益分配型のインセンティブ制度
  • 退職金制度・確定拠出年金
  • 通勤手段の柔軟化(例:電動自転車の貸与など)
  • 社内サービス(例:食事の提供、無料駐車場 など)

 

とはいえ、こうした制度も“整っていればよい”というものではありません。自社で働く従業員の声に耳を傾けることが何より重要です。アンケートやヒアリングを通じて、本当に必要とされている福利厚生を見極めましょう。

 

今後も物流業界における人材不足は深刻化が予想されています。だからこそ今、採用戦略とあわせて福利厚生制度を見直すことで、優秀な人材に「選ばれる企業」へと変化していくチャンスが生まれます。


優秀な人材を惹きつけるための戦略とは?是非資料をチェックしてください!